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2007年 06月 09日 ( 1 )

朝起きると外は雨------。
雨の日にはチョウは飛ばない。
でも6月は、虫屋が一番忙しい季節なのだ。雨でも外に出たい-------いい加減にしなさい!

雨の日のムシ屋は、家の中の仕事や家内のお付き合いもしなければならず、結構、忙しいのだ。でも、次回に気持ちよく出かけることが出来るかどうかがかかっているとなれば、何でもござれだ。

こんな日には、昨日、東京に所用で出かけた際に、古書で購入した「百蟲譜」でも読んでみよう。この本の中には、奥本大三郎氏によって選出された昆虫に関する短編が数編収められている。

さすがに、ヘルマンヘッセの「クジャクヤママユ」や北杜夫の「谿間にて」などは、何度呼んでも感動してしまう。ヘルマンヘッセの生きた時代のドイツは、昆虫採集の全盛期で、ヘルマンヘッセ自身も虫屋であったという背景がある。一般的な日本人は蛾とチョウを明確に分けるが、ヨーロッパでは、チョウと蛾の価値観にはそれほどの差がないので、このような作品が出るのだろう。一方、北杜夫氏は確か甲虫屋とくにコガネムシ屋のはずだが、「谿間にて」を読むと、北氏がチョウにも関心がいかに深いかが容易に推測できる。両作品とも昆虫コレクターの心情をうまく描いているように思う。
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。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。百蟲譜(奥本大三郎編)


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お昼近くになって、雨があがって、薄日も差してきたので、近くの散歩道を歩いてみた。
雨上がりとはいえ、下草が濡れているので、あまり森の中には入れない。

この時期、ヤマボウシの花が、暗緑色の森の中で、まるで白いライトでも付けたように、そこだけが艶やかに輝いている。さらに進むと、イボタがやや暗い樹林内にひっそり咲き初め、コゴメウツギはそこここで満開だ。
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。。ヤマボウシ Benthamidia japonica

。。。 Benthamidia japonica
。。。.Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA400
。。。.(2007-June-9, Kofu-shi/Yamanashi)

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ナナフシの幼虫たちを観察していたら、同じ木にヤハズカミキリが枯葉に静止しているのを偶然に見つけた。長い触角が飛び出ていたので認識できたのだが、さもなければ、この虫を発見するのは、困難だっただろうと思う。
このカクレンボは虫林の勝ちだね-----。
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。。。。。。。。。。ヤハズカミキリ Uraecha bimaculata

。。。。。。。。。。。 Uraecha bimaculata resting on the branch
。。。。。。。。。。。. Ricoh GR-D, Flash (+), ASA100
。。。。。。。。。。。.(2007-June-9, Kofu-shi/Yamanashi)


ヤハズカミキリはけっして少ないものではないけど、かといってどこにでもいるカミキリムシではない。カミキリムシとしては地味だが、やや大型で立派だ。虫林としてはかなり好みの部類に属するかカミキリなので、この出会いはとても嬉しい。
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。。ヤハズカミキリ Uraecha bimaculata

。。。 Gonioctena rubripennis with water drops on the back
。。。.Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA400
。。。.(2007-June-9, Kofu-shi/Yamanashi)


良く見るとこのヤハズカミキリも頭に水滴を載せている。
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。。。。。。。。。。ヤハズカミキリ Uraecha bimaculata

。。。。。。。。。。。 Uraecha bimaculata resting on the branch
。。。。。。。。。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA400, Flash(+)
。。。。。。。。。。。.(2007-June-9, Kofu-shi/Yamanashi)

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しばらく周りを見ながら歩くと、葉の上でフジハムシを見つけた。良く見ると、翅の上に水滴を背負っている。こんなに沢山の水滴を背中に載せていたら、人間だったら重くて動くのが大変だろうなと思う。
虫は本当に力持ちだ------.。
水滴のレンズ効果で、翅の表面が拡大されているのがおもしろい。
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。。水滴を翅に付けたフジハムシGonioctena rubripennis (Insert:水滴拡大)

。。。 Gonioctena rubripennis with water drops on the back
。。。.Ricoh GR-D, Flash (+), trimming
。。。.(2007-June-9, Kofu-shi/Yamanashi)

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ナナフシの幼虫をサクラ?の葉で見つけた。1匹だと思ったら、いるわいるわ----多分20-30匹が葉裏や葉表についている。実際、この写真でも4匹ほどが写っているのがわかる。
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。。ナナフシ Phraortes elongatus

。。。 Phraortes elongatus feeding at the leaf of cherry
。。。.Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA400
。。。.(2007-June-9, Kofu-shi/Yamanashi)


ナナフシは、身に危険を感じると、前足を前方に突き出し、枝のように、あるいは葉脈のように見せかけるみたいだ。近くに親がいないので、この防御方法はどうやって学習したのだろうか。不思議だ------。
それとも、人間が驚いたときに飛び上がるように、一種の反射的な運動なのだろうか?
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。。ナナフシ Phraortes elongatus

。。。 Phraortes elongatus feeding at the leaf of cherry
。。。.Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA400
。。。.(2007-June-9, Kofu-shi/Yamanashi)

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梅雨の時期に雨の文句をいっても仕方が無い。
この時期を、いかに楽しく過ごすかが、虫屋としての問題だ。
by tyu-rinkazan | 2007-06-09 20:16 | ■カミキリムシ | Comments(8)