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2007年 08月 26日 ( 1 )

「山梨の蝶」(甲州昆虫同好会編)という本には、山梨県ではゴマシジミの分布が広く、また個体数も多いと書かれている。
はてさて、これは本当だろうか?
以前は、ゴマシジミの個体数が多かったかも知れないが、現在ではその姿を見るだけでもありがたいと思えるほど減少し、少ない蝶になってしまったのだ。

その少ないゴマシジミを求めて、東京や神奈川などからわんさか採集者が集まってくるのだからたまったものではない。彼らは情報だけをたよりに訪れるので、既知のゴマポイントは、彼らに完全に占拠されてしまっている。まったく、この時期、山梨にはゴマシジミ狂騒曲でもながれているようだ。

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§ゴマシジミ§

先週、甲州市で見つけた小さなゴマポイントにもう一度行ってみた。
到着するとすぐに、1頭のゴマが飛び出して葉の上に静止した。今までゴマシジミの開翅を撮影していないので、本日はのんびりと翅を開くまで待つことにした。
「開かぬなら、開くまで待とうゴマシジミ---虫林」
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。。広角:葉上で休むゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 Wide angle view of Maculinea teleius resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Koshu-shi, Yamanashi)

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。。拡大:葉上で休むゴマシジミ Maculinea teleius

。。。 High power view of Maculinea teleius resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Koshu-shi, Yamanashi)


広角で撮影していると、ファインダーにとんでもないものがうつった。

それは----------「あやはべる」furuさんだった。
お互いにビックリしたが、お会いするのは久しぶりなので、とても嬉しい。
思わずfuruさんをバックに入れて広角写真を撮影してしまった。

落ち着いて話を聞いたところ、furuさんはこの場所を以前から知っていて、今日はゴマの撮影にやってきたとのことであった。なんと、先週見つけたゴマポイントは、furuさんの知るゴマポイントと同一の場所だったことになる。これまたビックリである。
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。。葉上で休むゴマシジミ Maculinea teleius と furuさん

。。。 Wide angle view of Maculinea teleius resting on the leaf
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Koshu-shi, Yamanashi)


ゴマシジミはなかなか開翅してくれないので、手持ちぶたさにオニヤンマを撮影していた。一番ピントがあった写真が、furuさんのリュックの前だった。
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。。飛翔:オニヤンマ Anotogaster sieboldii

。。。 Flying feature of Anotogaster sieboldii
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 400
。。。.(2007-August-25, Koshu-shi, Yamanashi)

1頭のゴマシジミを二人で色々と撮影していたが、突然、ネットを持った採集者が現れてしまった。彼の話では、昨日、あるヒトがゴマシジミをここで5匹採集したとのことであった。この個体数の少ない小場所で、5匹の採集はかなりダメージが大きいことは明白だ。

結局、2時間待ってもゴマシジミは翅を開いてくれないので、ネットマンから聞いた北杜市の明野のゴマポイントに移動し、そこでゴマを探す事にした。もちろん、furuさんも一緒にね。

明野では蝶の採集者が多く、出会っただけでも7-8人になる。全てゴマ狙いの方たちだ。親切な人もいて、ゴマのポイントを教えてくれたが、そこに行くと、すでに数人の採集者が陣取っていた。それでも、1頭だけワレモコウにきたゴマシジミを発見できた(発見してもらった)。

出会った採集の方たちの成果は、null~5匹/1人くらいだが、こんなに採集者が入れ替わり立ち代り集中すれば、環境は変わらなくても、採集圧だけでポイントが消滅してしまうだろう。

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§ゴマダラチョウ§

本日も非常に暑い。水分補給のためにジュースの自動販売機までくると、その前で、ゴマダラチョウ、キタテハ、ウラギンシジミ、コミスジが吸水していた。
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。。無機塩類をとるゴマダラチョウ Hestina persimilis japonica

。。。 Hestina persimilis japonica feeding on the mineral salt
。。。. Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm MACRO, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Hokuto-shi, Yamanashi)


この蝶は無機塩類をとるため、夢中で石をなめているので、gyoromeを装着して撮影してみた。
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。。虫の目像:無機塩類をとるゴマダラチョウ Hestina persimilis japonica

。。。 Insect-eye image of Hestina persimilis japonica feeding on the mineral salt
。。。. Ricoh Caplio GX-8, gyorome, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Hokuto-shi, Yamanashi)

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§ヒメシロチョウ§

原村では、この時期ソバの花が満開で、とても綺麗だった。ソバの花には、モンキチョウやモンシロチョウとともに多くのヒメシロチョウが訪れていた。
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。。飛翔:ヒメシロチョウ Leptidea amurensis

。。。 Flying feature of Leptidea amurensis
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 400
。。。.(2007-August-25, Hara-mura, Nagano)

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。。飛翔:ヒメシロチョウ Leptidea amurensis

。。。 Flying feature of Leptidea amurensis
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 400
。。。.(2007-August-25, Hara-mura, Nagano)


ヒメシロチョウはマメ科の植物(多分、ツルフジバカマ)にしばしば静止し、産卵行動を示した。
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。。産卵:ヒメシロチョウ Leptidea amurensis

。。。 Egg lying of Leptidea amurensis
。。。. Pentax K10D, Pentax 100mm MACRO, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Hara-mura, Nagano)

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§ムモンアカシジミ§

T川のムモンアカポイントは、以前(2週間前)に訪れたときは、まだ時期的に早いみたいであった。今回、訪れてみると午後1時30分頃に、高い木の上から1頭のムモンアカシジミが舞い降りてくれた。その後、足元から突然もう1頭が飛び出した。
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。。ムモンアカシジミ Shirozua jonasi

。。。 Shirozua jonasi resting on the flower
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-25, Hara-mura, Nagano)

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§ミヤマシジミ§
帰る途中で、河原のミヤマシジミの棲息地を覗いてみた。かなりの数が見られたが、あまり翅を開いてくれないのだ。でも中には何とか開いてくれるものもいたので助かった。
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。。。。。。。。。。ミヤマシジミ Lycaeides argyrognomon praeterinsularis

。。。。。。。。。。。 Lycaeides argyrognomon praeterinsularis
。。。。。。。。。。。. Ricoh GR-D, GW-1, ASA 100
。。。。。。。。。。。.(2007-August-25, Hakusyu, Yamanashi)

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§Epilogue§

ゴマシジミの撮影中に、furuさんに遭遇したのは大変驚いた。ある意味、ゴマシジミを見つけたときよりも嬉しいことである。久しぶりにお会いし、撮影もご一緒できて楽しかった。

北海道でゴマシジミは、「道端のチョウ」であるらしい。もともとこの蝶はヒトの生活圏の中でともに生きる身近で庶民的な蝶なのだ。それがいつの間にか少なくなったのは、ヒトの生活様式が変わったためといわれている。

山梨県でゴマシジミの分布は非常に狭く、個体数も少ないといわざるをえない。ゴマシジミの減少をヒトの生活様式の変化による時代の流れというのは簡単だが、実際、ヒトの生活様式の変化説にしても、どこまでの信頼性があるのだろうか。

いずれにしても、少なくなってしまった山梨県のゴマシジミを、良識のある大人(実際話してみるとそう思える)が、よってたかって網で追い掛け回すのは、少し分別が欠けているね。でも、ゴマシジミはそんなに軟なチョウではなさそうなので、どこかでしたたかに繁殖していると信じている。

この蝶の食草のワレモコウは、どこのゴマポイントをみても多くはない。ところが、面白いことに、今の時期、このチョウのいない高原のお花畑では、沢山のワレモコウを見ることができる。すると、この蝶が生きていくには、ワレモコウの要素よりも、共生するアリの要素の方が重要なのだろうか。アリ蝶はこのミステリアスなところが魅力だ。
by tyu-rinkazan | 2007-08-26 14:54 | ▣ゴマシジミ | Comments(20)