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虫林の部屋がある研究棟の外ではアブラゼミやミンミンゼミが毎日やかましいくらいに鳴いている。
セミ時雨とはよくいったものである。
この2種に加えてニイニイゼミ、ツクツクホウシの声が加わり、さらに近年ではクマゼミの鳴き声まで聞こえるようになった。

セミ、セミ、セミ。日本はなんとセミの多い国なんだろう。
以前に滞在した英国では、チッチゼミしか分布していないので、夏になってもセミの声がちっとも聞こえず、寂しく思ったものだ。

セミ時雨は日本の夏だ------。

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研究室の窓からぼんやりと外を見ていたら、目の前の木にミンミンゼミが止まり、ミーン、ミーンと鳴き始めた。何気なくそのセミを見ると、あれ!! 背中に黒紋が無いぞ。
なるほど、これが噂に聞く 「ミカド型のミンミンゼミ」 というやつか。

早速、次の日にカメラを持参し、昼休みに大学の構内で、セミを観察してみることにした。
今だとまだ夏休み期間中で、学生の数もそれほど多くないので良いだろう。

歩き始めるとすぐに、そこかしこでセミの抜け殻を見つけた。
セミの抜け殻のことを 「空蝉:うつせみ」 というが、この空蝉をみていると、子供の頃に見た忍者番組を連想する。すなわち、そこにいるように見せかけて、実はも抜けの空という「空蝉の術」だ。

そうだ、これから昼休みは「空蝉の術」を使おう。
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。。空蝉

。。。 Cast-off skin of a cicada
。。。. Ricoh GR-D, GW-1, ASA 100
。。。.(2007-August-30, Chuo-shi, Yamanashi)

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§通常型ミンミンゼミ§

見かけたミンミンゼミは、頭背部の模様から、通常型、緑化型(中間))、ミカド型(黒紋完全消失)に分けられる。その割合は、通常型>緑化型>ミカド型であるが、緑化型の頻度もかなり高いのに驚く。全く紋の無いミカド型はさすがに少ない。

ミンミンゼミはアブラゼミと違って、なかなか幹の低いところで静止しないので、広角写真が殊の外難しいが、何とかワイコン(GW-1)を装着したGR-Dで撮影できた。
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。。。。。。。。。。通常型ミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis

。。。。。。。。。。。 Oncotympana maculaticollis resting on the tree
。。。。。。。。。。。. Ricoh GR-D, GW-1, , ASA 100
。。。。。。。。。。。.(2007-August-30, Chuo-shi, Yamanashi)


通常型は体のほぼ全体が黒色で、頭胸部に黄緑色から青緑色の小紋が散在する。
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。。通常型ミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis

。。。 Oncotympana maculaticollis resting on the tree
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 400
。。。.(2007-August-30, Chuo-shi, Yamanashi)

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§緑化型ミンミンゼミ§

通常型とミカド型の間には中間型が存在し、それを「緑化型」とする。
当初は、頭胸部の黒紋がかなり消退し、緑色に見えるものはすべてミカド型だと思っていたが、よくよく調べてみると、純粋のミカド型というものは黒紋が完全に消えたもののみを指すらしい。

しかし、この緑化型でも通常型とは一目で区別がつき、見たときにかなり異様な感じがする。
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。。。。。。。。。。緑化型ミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis

。。。。。。。。。。。 Oncotympana maculaticollis resting on the tree
。。。。。。。。。。。. Ricoh GR-D, GW-1, , ASA 100
。。。。。。。。。。。.(2007-August-30, Chuo-shi, Yamanashi)

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。。緑化型ミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis

。。。 Oncotympana maculaticollis resting on the tree
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 400
。。。.(2007-August-30, Chuo-shi, Yamanashi)

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。。緑化型ミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis

。。。 Oncotympana maculaticollis resting on the tree
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 400
。。。.(2007-August-30, Chuo-shi, Yamanashi)

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§ミカド型ミンミンゼミ§

ミカド型ミンミンゼミのことは、虫林の幼な友達で虫友でもあるI君(神奈川県在住)が送ってくれた昆虫の資料の中に少し書かれていた。ミンミンゼミの変種で、分布はかなり局所的で少ないものらしい。しかし、嬉しいことに甲府盆地では比較的多くみられるということだ。
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。。ミカド型ミンミンゼミ Oncotympana maculaticollis

。。。 Oncotympana maculaticollis resting on the tree
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 400
。。。.(2007-August-30, Chuo-shi, Yamanashi)

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米国には17年セミというのがいて、17年に1回、大発生し、話題になるが、ミンミンゼミの幼虫期も比較的長く、約7年くらいだといわれている。
長い地中の生活だ。地中生活が長い分だけ、地上に出たときにはこの世の春を謳歌するように鳴くのであろうか。

緑化型およびミカド型ミンミンゼミは一般に少ないが、局所的に多産する地域があるみたいだ。甲府盆地では、この型のミンミンゼミが多く認められるのは嬉しいことだ。

これからも少し「空蝉の術」を使って、お昼休みに探索してみよう。
by tyu-rinkazan | 2007-08-30 18:10 | ■他の昆虫 | Comments(18)