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Nature Diary #0236
Date: February 1st (Sunday), 2009
Place: Mt. Obina, Yamanashi Pref.
Weather: fair



【オサムシの分類】
オサムシの仲間は鞘翅が癒着して飛べないものがほとんどだ、したがって、同じ種類でも地域による変異がとても大きく亜種が多い。極端な話、大きな川をはさんで種類や亜種が異なるといっても過言ではないのだ。

先週のブログで、大阪の緑一さんからヒメオサムシの分類がかなり変わったというコメントをいただいた。調べてみると、虫林が興味を持っていた頃(かなり前)とは確かに大きく異なっているようである----うーむ、オサムシの世界では浦島太郎になってしまった気分だ。


§ Diary §

朝食後に甲府市北の帯那山(標高1422m)に散歩に出ることにした。

帯那山に続く山の稜線近くをトレースする整備された道は、クリスタルロード(結構標高が高い)と呼ばれている。しかし、何がクリスタルなのかその意味がさっぱりわからないのだ。そこで虫林はこの道を 何となくクリスタルロードと密かによんでいる。

(何となく)クリスタルロードをしばらく行くと、冬季閉鎖のため帯那山の頂上の少し下でゲートが閉まっていた。ゲート手前の道から牧場に降りたあたりに車を止めて、歩いて林に入った。

夏の間は鬱蒼としていたミズナラ主体の樹林内も、今は木々が葉を落として明るく、ところどころに立ち枯れや倒木が散在している----オサ堀りにはけっこう適している雰囲気だね。写真中央の大きな木はミズナラの立ち枯れだ。

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ミズナラの林 (2月1日、甲府市)

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Oak forest
(Olympus E-3, ZD12-60mm)



クロナガオサムシ; Leptcarabus procerulus

朽木を壊してみたら、クロナガオサムシの集団越冬巣に当たった。数えてみると4頭が一緒に越冬している。今まで2頭ほどは見たことがあるが、4頭の越冬集団は凄いと思う。

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クロナガオサムシの集団越冬 (2月1日、甲府市)

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A winter-passing colony of Leptcarabus procerulus in the spunk
(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14)


集団越冬していたクロナガオサムシは、通常の個体よりも少し小型で体も細いようだ。一応、ここではクロナガオサムシにしておくが、間違っていたらご教示いただきたい。

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朽木から出てきたクロナガオサムシ (2月1日、甲府市)

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A walking beetle, Leptcarabus procerulus, winter-passing in the spunk
(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14)



クロオサムシ; Carabus albrechti

少し低い崖を崩してみたら、やや小型のオサムシが出てきた。どうもクロオサムシに似ているが、甲府市や北杜市などの標高の低い場所で見る赤銅色のもの(先週のブログでヒメオサとしたもの)とは色彩が明らかに異なり、やや緑がかった黒色で、光沢がある。

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クロオサムシ (2月1日、甲府市)

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A walking beetle,  Carabus albrechti winter-passing in the spunk
(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14)

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クロオサムシ (2月1日、甲府市)

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A walking beetle,  Carabus albrechti winter-passing in the spunk
(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14)



ベニヒラタムシ; Cucujus coccinatus

立ち枯れの樹皮をめくってみたら、ベニヒラタムシが出てきた。ヒラタムシの仲間は扁平な体を持ち、樹皮下に棲息して、他の昆虫の幼虫などを食す。

樹皮下に暮らすのであれば、このような鮮やかな色彩は必要ないように思うが----不思議だな。ちなみに、近縁のルリヒラタムシも素晴らしくきれいな翅をもっている。ヒラタムシの交尾活動は樹皮下ではなく、外部で行うので鮮やかなのかもしれないね。

とにかく、ひらべったい甲虫だ。

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ベニヒラタムシ (2月1日、甲府市)

(Olympus E-3, ZD12-60mm)

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ベニヒラタムシ (2月1日、甲府市)

(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14, ストロボ)

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ベニヒラタムシ (2月1日、甲府市)

(Olympus E-3, ZD50mm MACRO + EC-14 + Gyorome-8, ストロボ)


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§ Afterword §

先週、オオオサムシを見つけて、昔取った杵柄のオサ掘りを思い出した。

今回は、先日の季節はずれの大雨で、路面の雪が消えてしまい、虫林の車(ノーマルタイヤ)でもかなり奥まで行くことができた。標高1400mほどの場所で、不慣れながらもオサ堀りを行い、細い?クロナガオサムシや平地とは全く色彩が異なるクロオサムシなどを見つけることができたのは嬉しかった。

しかし、現在のオサムシの分類はかなり細分化されていて(多すぎないかな?)、その同定は難しく、オスやメスの生殖器の形態が決め手になることも多いと聞く。すると、写真撮影だけでは種の正確な同定が不可能ということになる---虫写真屋としてはとても残念です。

オサムシは冬期に見ることが可能な(むしろ見やすい)甲虫なので、さらにもっと多くの種類にお目にかかってみたいな。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2009-02-01 22:04 | Comments(11)