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DIARY #011 :

フチグロトゲエダシャク(以下フチグロ)は早春にだけ発生する昼行性のフユシャクの一種だ。小さくて茶色い蛾なので、昆虫にまったく興味が無い一般の人(特に若い女性)にこのフチグロを見せたら、「キャ!なにこの蛾、気持ち悪~い」といわれる可能性が高い----と思う。でも、虫好きの間ではかなりの人気もので、巷では「フッチー」と呼ばれて親しまれているようだ。虫屋にとってフッチーは、春の訪れを感じさせてくれる スプリングエフェメラル で、小さくて、茶色くて、愛らしくて、可愛いその姿を毎年一度は見たいものなのだ。

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今週末(日曜日)はフチグロを探して河川敷を散歩することにした。
(実はこれまでフチグロを撮影したことがない)

まず拙宅の裏の河原を歩いてみた。陽気が良いのでぶらぶら歩いていくと、今年羽化したモンキチョウがあちらこちらで飛んでいた。どうやら、この陽気で一斉に羽化したようで、3組もの交尾シーンも観察できた。実はモンキチョウはこれが今年の初撮影になるので、これはこれで嬉しいのだ。

しかし、フッチーは何処-------。

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----- A Mating Pair of Eastern Pale Cluded Yellow

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Olympus Pen E-P5, MZD14-150mm




飛べ! フッチー(フチグロトゲエダシャク)

大きな本流の河川敷に移動した。

なるべく除草されていない斜面に沿ってゆっくりと歩いた。川を見ると大きなコイがゆうゆうと泳ぎ、マガモが日向ぼっこしている。本日は気温も上昇して(甲府市内は18度まで上がった)、ほかほかとした春の気配が実感できる。

でも、なかなか目的のフチグロは発見できなかった。

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----- River-bed (Habitat of Nyssiodes lefuarius)

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Olympus Pen E-P5, MZD14-150mm


11時を過ぎたので、昼食を摂りに家に帰ろうかなと思ったら、目の前に小さな蛾が降り立った。恐る恐る近づいてみるとまさしくフチグロの♂だった。大きなクシヒゲと翅の黒い帯が印象的だ。

ビンゴ

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----- A male of Nyssiodes lefuarius

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Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro


その後、気温が上昇してメスがフェロモンを発するコーリングの時間帯になったのか、フチグロ♂の飛ぶ姿をあちらこちらで見ることができるようになった。でも、どこにでも見られるというものでもなさそうで、個体数は場所によってかなり異なるようだ。

オスは飛び始めるとメスを探して草の上を低く不規則に飛びまわりなかなか静止しない。
小さいうえに、飛翔速度が意外に速いので、目で追っていても簡単に見失ってしまう。

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----- Flying features of Nyssiodes lefuarius

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Olympus Pen E-P5, Panasonic 8mm Fisheye


フチグロが静止したところをgyorome 8で撮影してみた。
早春に発生する昆虫たちは押しなべて毛深い。

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----- Insect-eye view of Nyssiodes lefuarius

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Olympus TG-2 + Gyorome8


観察していると、草の間に潜り込む♂を見つけた。
もしやと思って草をそっとどけてみると交尾していた。

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----- A Mating Pair of Nyssiodes lefuarius

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Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro


その後、メスを何頭か見つけることができた。

メスは太っていて、翅は無く、何かのキャラクターにでもなりそうなユーモラスな形をしている。ストローは無さそうなので、彼らは交尾して産卵すると死ぬのかもしれない。そう考えると、何か哀れにも見えてくる。

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----- A female of Nyssiodes lefuarius

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Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro



ヒルガオトリバ

ヘンテコリンな形の蛾を見つけた。
この蛾を見るのは初めてではないが、早春に出るとは知らなかった。

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----- Emmelina argoteles

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Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro



Notes :

今週は土曜日に東京で集まりがあって、日曜日は朝遅く起きた。どこへ行こうか思案した結果がフチグロだったのだ。とにかく、フチグロトゲエダシャクは以前から撮影したいと思っていた早春の蛾だが、どういうわけか、これまで探索に行く機会が無かったのだ。今回やっと撮影できたので、ホっとしている。これから毎年この時期に会いに行きたいと思う。

来週末はまた海外出張だ。
フィールド散歩の時間が少しでもとれるかな?



Nature Diary vol.9 (11): #571, 2014
Date: Mar-16 (Sunday)
Place: Kofu and Minami-Alps city in Yamanashi



by tyu-rinkazan | 2014-03-17 21:08 | Comments(9)