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<陸中のキマダラルリツバメ>
岩手県陸中地方はキマルリの北限。その棲息地は岩手県内でも交通が不便で隔絶された地域にある。以前に現地の人や詳しい人にそのポイントを尋ねてみたところ、「門外不出で教えることはできません」といわれてしまった。もっともなご意見だと思った。そこで、本種の記録がある地域を辿ってやっと数年前にその棲息を確認した。

しかし、これまで納得がいく写真は撮影できていない-----今回は?

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DIARY #592 :

毎年この時期に岩手県の盛岡市を訪れることを楽しみにしている。よく知っている古い友人から依頼された仕事(学生講義)が本来の目的だが、せっかくチョウの撮影に良い時期に盛岡まで行けるのだから、週末を利用してフィールド散歩もしたいと思っている。



東北新幹線で盛岡駅近くになると、いつも車窓から外に目を向ける。
そこには穏やかな感じの山並みと水量豊かな北上川。
それらに挟まれるようにビルが立ち並ぶ盛岡市街が見えてくる。

みちのく一人旅の始まりだ。

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---- Morioka city

---- Olympus E-PL6, 14-42mm




 キマダラルリツバメシジミ

ホテルに荷物を置いて、早速、レンタカーで陸中に向かった。

数年前にキマルリの棲息が確認できたクワやキリなどの古木が多い耕作地。
到着して早速見回ってみると、何と小さなチョウが飛び回っていた。
目を凝らしてその行方を見守っていると、やっと葉の上に静止してくれた。

そこには西日を受けたキマルリの姿があった。
誰もいない草地でガッツポーズ。

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---- A male of the Japanese Silverlines

---- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro



陸中のキマルリはヒメジオンでは吸蜜しないという。

でも、近くにあるヒメジオンの群落を見回ってみた。
するとそこには可愛いキマルリの姿があった----やはりヒメジオンで吸蜜。

下の写真の2枚目は明らかにストローを出している。

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---- The Japanese Silverlines

---- Olympus E-P5, MZD12-40mm, OM-D E-M1 60mm Macro, 14-150mm



虫の目レンズのGyorome8でも撮影してみた。

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---- The Japanese Silverlines

---- Olympus TG-2, Gyorome8



陸中のキマルリは地色が白くて黒いすじが細く、一見あっさりした印象。
また、前翅裏面内縁の2条の黒条がギザギザになる傾向がある(日本産蝶類標準図鑑)。

下の写真はその特徴がよくでていると思う。

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---- The Japanese Silverlines

---- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro



キマルリのオスは活動が激しいので、羽化後数日で翅が傷むといわれている。

今回は運が良いことにピンシャンの♂開翅が撮影できた。
下の写真はヒメジオンの花上で開翅。

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---- A male of the Japanese Silverlines

---- Olympus OM-D E-M1, MZD12-40mm



キマルリのオスの青色は角度によって怪しく光るようだ。
ファインダーでそれを見たときは良い年をして興奮を禁じ得なかった。

岩手県産は翅表の青色部が特に広い。
2枚目は黒点を越えて青色部がひろがっている------ウーム、明らかに広い。


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---- The Japanese Silverlines

---- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro



鱗粉がわかるほどの近接撮影ができた。

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---- The Japanese Silverlines

---- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro



新鮮なメスも現れてくれた。

あっさりとした色白美人ならぬ色白キマリン。
美しい個体だったが、シャッターを数回切った後に振られてしまった。

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---- The Japanese Silverlines

---- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro




Notes :

家を出るとき、ジーパン、山用のベスト、長袖のシャツ、さらにはリュックと長竿、ご丁寧にサファリハットまでかぶっていた。元気に「行ってきま~す」とは言ってみたものの、さすがにこの恰好で仕事とは説得力が弱い。案の定、「いったい何しにいくの?」「ちゃんとした服はもっているの?」などと家内から釘をさされてしまった。すべて知ってるくせに-----感謝。あとで考えれば、荷物はあらかじめ宅急便でホテルに送っておけばよかったのだ。

陸中でキマルリを探索して以来、初めてまともの写真が撮影できた------涙。
北限のキマルリたちがいつまでも生き延びることを祈ってやまない。




Nature Diary vol.9 (32): #592, 2014
Date: June-28 (Saturday)
Place: Rikuchu District, Iwate





by tyu-rinkazan | 2014-06-30 18:42 | ▣キマダラルリツバメ | Comments(20)