人気ブログランキング |

DIARY Vol.10 (700): #63, 2015 :  

<翅を開かない蝶たち>
蝶の中には、静止時にけっして翅を開かない種類がいくつもある。
例えば、春に出現するコツバメという蝶の開翅シーンを見た人はたぶんいないだろう。
翅表に大きな橙色の紋があるベニモンカラスシジミの開翅を見た人がいるだろうか。

ひるがえって、クロコノマチョウも翅を開かない蝶のひとつだ。
これまで飛翔撮影以外に、この蝶の翅表を撮影できていない。
この蝶は翅裏が超地味だけど、翅表はそれなりに美しいのだ。
いつかクロコノマの開翅を撮影したいと思っていた。


寒い朝

本日(土曜日)の朝は今年一番の寒さになった。

こんなに寒いと生来レイジーな虫林は布団から出るのが億劫になる。
とにかく、布団から這い出て、カメラを片手にフィールドに出よう。
ということで、本日は少しでも暖かい県南部に進路をとった。

丘からは雪化粧の富士山と朝靄に包まれた市街地が一望できた。

d0090322_21492653.jpg
---- Morning mist and Mt. Fuji with snow overlooked from hill -- (Kofu-city, Yamanashi)

------- November-28/2015, Canon EOS 6D, EF100mm F2.8/L Macro IS USM


川面に湯気(水蒸気)が立ちのぼり、日陰の葉には霜のデコレーション。
自然がみせる冬の表情を撮影してみた。

d0090322_21495018.jpg
d0090322_2150999.jpg
---- Steaming surface of the river and frosted Leaves-- (Nanbu-cho, Yamanashi)

------- November-28/2015, Canon EOS 6D, EF100mm F2.8L Macro IS USM



神社のウラギンシジミ

入り口に大きなイチョウの木がある小さな神社。

イチョウの葉が黄葉して美しい。いつもだとこの時期にはイチョウの葉は完全に落ちて、地面がイチョウの葉で埋め尽くされる。でも、今年は黄葉の時期(進行)がすこし遅れているようで、イチョウの木はまだ葉をつけたままだ。今年は例年よりも暖かいのかな?


神社に続く道の脇の垣根で、葉裏で休むウラギンシジミを見つけた。
ストロボを装着し、弱い補助光を用いて日中シンクロ撮影をしてみた。

d0090322_21504417.jpg
---- A Toothed Sunbeam resting under the leaf -- (Shibakawa-cho, Shizuoka)

------- November-28/2015, Canon EOS 70D, EF8-15mm F4L Fisheye USM, Speed Light 430 EX

d0090322_21513495.jpg
---- A Toothed Sunbeam resting under the leaf -- (Shibakawa-cho, Shizuoka)

-------- November-28/2015, Canon EOS 6D, EF100mm F2.8L Macro IS USM, MT-24EX Macro Twin Light



落ち柿とクロコノマチョウ

今年の柿は豊産らしく、どこでも沢山の実をつけている。
林に接した柿の木の下にはたくさんの柿の実が落ちていた(落ち柿)。
みると、落ちた柿の実は熟しすぎて(腐って?)、果肉が見えている。

d0090322_21515964.jpg
----Dropped persimmons on the ground -- (Shibakawa-cho, Shizuoka)

------- November-28/2015, Canon EOS 70D, EF8-15mm F4L Fisheye USM


しばらく見ていると、日中にもかかわらず大きなクロコノマチョウが出てきた。
大きな個体で、バタバタという羽ばたきの音まで聞こえてくるようだ。

クロコノマという蝶はとても敏感で用心深いようだ。
そっと近づいても、すぐに飛ばれてしまうことが多い。
でも、落ちた柿で吸汁している時には近接撮影が可能。
食いしん坊な蝶に違いない。

d0090322_2152303.jpg
----Dark Evening Brown-- (Shibakawa-cho, Shizuoka)

------- November-28/2015, Canon EOS 70D, EF8-15mm F4L Fisheye USM, Speed Light 430 EX


この個体は落ちた柿の近くに飛来して、翅を開閉しながら柿の実に近づいた。
そこで、開翅時にタイミングを合わせてシャッターを押してみた。
後で確認すると、うまい具合に半開翅とフル開翅した状態が撮影できていた。

これまでクロコノマの開翅は撮影したことが無かったので嬉しかった。

d0090322_21525745.jpg
d0090322_21532656.jpg
----A Dark Evening Brown with the wings opened-- (Shibakawa-cho, Shizuoka)

------- November-28/2015, Canon EOS 70D, EF300mm F4L IS USM


クロコノマには明るい茶色の個体と黒っぽい個体がある。

d0090322_21535189.jpg
d0090322_21541366.jpg
---- A Dark Evening Brown taking the nectar from dropped persimmon fruits -- (Shibakawa-cho, Shizuoka)

------- November-28/2015, Canon EOS 70D, EF300mm F4L IS USM



犬が寝るバス停留所

この集落のバス停の待合所には犬がのんびりと寝ていた。

人が多くていつも忙しい都会では、バス停の待合室の前に犬でも寝ていようものなら、むやみに可愛がられるか、さもなくば文句の一つも出るかもしれないな。そもそも犬の方も、車やオートバイが通り過ぎる道の脇では騒がしくてのんびりと寝ることができないだろう。ここの犬は何とも太平楽だ。

d0090322_21543395.jpg
----The rural bus stop with a sleeping dog-- (Shibakawa-cho, Shizuoka)

------- November-28/2015, Canon EOS 6D, EF24-70mm F4L IS USM



🔍虫眼鏡ノート

これまで、クロコノマチョウの翅表は撮影できないと思っていた。でも、虫林も拙写真を提供させていただいたフィールドガイド「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編, 2012)を見てみると、クロコノマの開翅写真が載っている。よくぞ撮影したものだと感心して、ため息をつきながら見ていた。今回、虫林もなんとかクロコノマの開翅シーンが撮影できた。カメラの液晶モニターで開翅を確認した時はとても嬉しかった。

蝶の開翅を撮影することの拘りや価値など、蝶の写真を撮っていない人にはまず理解できないに違いない。マニアックと言えばマニアックだが、それが蝶撮影の楽しみでもあるよね。

ウオールストリートジャーナルによれば、「自然の中に出かけると、創造性や幸福度、集中力が上がった」という研究結果が出ているとのことだ(http://www.lifehacker.jp/2012/06/120620naturemeritte.html)。たしかに、忙しい毎日の中で、ウィークエンドだけでもフィールドをのんびりと散歩すると精神的にも肉体的にも良いように思う。これからも、できるだけ散歩しようと思っている。

Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2015-12-03 01:01 | ▣クロコノマチョウ | Comments(23)