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DIARY Vol.11 (715): #11, 2016 :  

このところ海外出張などもあり、しばらくフィールド散歩に出ることができませんでした。なんとなく息苦しく、また気分も落ち込んでしまいます(散歩中毒症状)。今週末はやっと時間ができたので、いつもご一緒している昆虫写真家の山口進さんと県南部のフィールドに出ることにしました(3週間ぶり)。この時期のフィールド散歩は、まだ冬の面影を残す茶がれた景色の中に薄紅色の桜の花が色を添えている。そんな早春の景色を愛でながら、カメラをもってのんびりと歩いた。

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----Early Spring Walk--
Walking along the forest path, we could see cherry blossom almost in full bloom by the road. I took a picture of this early spring landscape.

(March-26/2016, Nanbu-cho in Yamanashi, Panasonic LUMIX DMC-CM10


キブシの花で吸蜜する蝶

林道の脇に蝶が集まるキブシの花があります。以前は低くて撮影しやすかったのですが、木がだんだんと大きくなって、今では脚立の上に乗って撮影しなければなりません。でも、期待どおり、キブシの花にコツバメやスギタニルリシジミが吸蜜に訪れていました。春一番にでてくるSpring Ephemeralです。

コツバメは逆光で縁毛が青く光っていました。

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----The Tailless Hairstreak
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(March-26/2016, Nanbu-cho in Yamanashi, Canon EOS 6D, EF300mm

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----The The Sugitani's Hedge Blue
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(March-26/2016, Nanbu-cho in Yamanashi, Canon EOS 6D, EF300mm


スギタニルリは葉上に静止して翅を開いてくれました。この蝶は地面ではけっして翅を開かないので、半開きながら喜んで撮影しました。地味な蝶ですが、ここのスギタニは大型で、ルリシジミと大きさはかわりません。

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----The The Sugitani's Hedge Blue
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(March-26/2016, Nanbu-cho in Yamanashi, Canon EOS 6D, EF300mm


虫眼鏡ノート

今年は暖冬だと思っていたが、このところの寒さで季節の歩みが遅くなったようです。でも、県南部では少ないながらもコツバメやスギタニルリシジミに出会うことができました。これから桜の花が満開になると、ギフチョウをはじめ、いろいろな蝶たちが出てきて賑やかな季節になります。

楽しみです。

Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2016-03-26 20:57 | ▣スギタニルリシジミ | Comments(0)

DIARY Vol.10 (654): #16, 2015 :  

甲府地方気象台は3月25日、桜の開花を発表しました。
平年より2日早く、昨年より3日早いそうです。

週末(土曜日)は春の陽気に誘われて県南部の里山にでかけました。ヤマザクラ、アブラチャン、コブシ、ハシバミ、キブシ、ヤマブキなどの花々が咲き、タンポポ、タチツボスミレ、キランソウ、ムラサキゴケなどが路傍を飾っています。ウグイスの初鳴きを聞きながらのんびりと散歩。

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---- コブシの花-Magnolia kobus

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD60mm Macro)



ミヤマセセリの日光浴

最初に立ち寄ったコナラ林では、沢山のテングチョウとともにミヤマセセリの姿も時々見ることができました。ミヤマセセリは春浅い季節だけに出現するスプリングエフェメラル。地味な色彩ですが里山に春を告げるチョウの一つでカメラを向けずにいられません。

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---- 日光浴するミヤマセセリ-A sun-bathing male of the Spring Flat

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm F2.0 ED MSC)



吸蜜するコツバメが輝いた

日溜りの枯草ではコツバメが占有(縄張り)行動を繰り返していました。
コツバメというシジミチョウは、小さい上に飛翔が早いので目で追うのに苦労します。

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---- 占有行動するコツバメ-The Tailless Hairstreak

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm F2.8 Pro + Telecon)


キブシの垂れる花で数頭のコツバメが盛んに吸蜜していました。

吸蜜するコツバメを逆光気味にみると縁毛が青く輝きます。
この青い輝きは翅表の青い色が関係していると思います。
しかし、そのメカニズムは僕にはよくわかりません。

太陽からの光の方向と縁毛の光る具合を確認し、体を移動しながら撮影しました。

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---- キブシの花で吸蜜するコツバメ-The Tailless Hairstreak

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm F2.8 Pro + Telecon)



越冬明けのムラサキシジミ

越冬明けのムラサキシジミがアブラチャンの黄色い花を訪れていました。
長い冬を越えて翅裏の模様が薄くなっている姿が少し哀れに思います。

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---- アブラチャンで吸蜜するムラサキシジミ-The Japanese Oakblue

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD40-150mm F2.8 Pro + Telecon)



吸水するスギタニルリシジミ

湿った地面ではスギタニルリシジミが吸水していました。

吸水するスギタニルリは20頭ほどはいるようです。
でも、分散しているのでファインダーには10頭ほどしか入りません。

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---- 集団吸水するスギタニルリシジミ-The Sugitani's Hedge Blue

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D, E-M1 M.ZD40-150mm F2.8 Pro + Telecon)


この辺りにはスギタニルリシジミの食樹であるトチノキは無いので、他の植物を幼虫は食べているのと思われます。そのせいか、ここのスギタニは大きくて、ルリシジミと同じくらいの大きさがあります(両者の区別が容易でない)。飛翔撮影すると翅表の暗色な青色が良くわかります。

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---- スギタニルリシジミ-The Sugitani's Hedge Blue

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D E-M1 + 60mm Macro, Pen EP-5 + M.ZD12mm)




ルリシジミが全開翅した!

スギタニルリシジミに混ざってルリシジミも吸水していました。

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---- ルリシジミ-The Holly Blue

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)


驚いたことにこのルリシジミは地面で翅を全開しました。
翅に異常があって全開したものと思います。
しかし、この個体の飛翔には問題無さそうでした。

目の覚めるような「輝くブルー」に驚かされました。

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---- 全開するルリシジミ- The Holly Blue

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD60mm Macro)



その他の昆虫たち

林道上で曲者ヒメツチハンミョウを見つけました。
盛んに草を食べています。

ツチハンミョウは体内にカンタリジンという毒を持っています。素手で触ると炎症を起こし水脹れなどになるため注意が必要です。土中で孵化した幼虫は花に登り、花に飛んできたハナバチ類によって巣に運ばれ、ハナバチの卵や、巣に貯蔵してある花粉・蜜を食べて育つという生態も「曲者」「悪役」にふさわしいかな。

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---- ヒメツチハンミョウ-Meloe coarctatus

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus Pen EP-5 + M.ZD12mm, Tough TG-3 )


ホソミイトトンボが数頭草むらを飛んでいました。
目を離すと見失うくらい体が細いイトトンボです。
珍しく季節型があり、今回のは冬型でしょう。

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---- ホソミイトトンボ-Aciagrion migratum

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus OM-D E-M1, M.ZD60mm Macro)


林道にはモンカゲロウがたくさん飛んでいました。

もう少し撮影したくて河原に降りてみました。
しかし、河原の石ではモンカゲロウの姿を見つけることができませんでした。
多分、川の近くに静止するとクモたちの餌食になるからかもしれません。

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---- モンカゲロウ-Ephemera strigata

-----(Nanbu-cho, Yamanashi, Mar/28/2015、Olympus Pen EP-5, M.ZD12mm)



🔍虫眼鏡ノート

アメリカのボストン出張から帰宅して2日目ですのでまだ時差ボケが抜けていませんでした。でも、長い冬がやっと明け、チョウたちが飛ぶこの時期は時差ボケだとか疲れているなどといって家に蟄居してはいられません。今回はほぼ1年ぶりでスギタニルリシジミを初めとする色々なチョウたちや他の昆虫たちにも出会うことができて嬉しかったです。また、現地では静岡の同好者の方と偶然にお会いし、いろいろと親切に教えていただきました----感謝。

これから続々と昆虫たちが出てきますので、フィールドが賑やかになります。
しかし、本業が今年は忙しくなりそうなのでブログの更新が不定期になるかもしれないな。
ブログ更新の意欲はまったく衰えていないのだが------弱気。


Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2015-03-29 21:06 | ▣スギタニルリシジミ | Comments(10)

本日は5月の第二日曜日で、「母の日」

そもそも、5月の第2日曜日を母の日とする慣習は、アメリカの文化であって、それがかように日本に定着したのは、巧みな商業戦略とともに日本人の軽薄さによるものだろう。
-------とか何とか偉そうな事をいいながらも、「母の日」は家内の奴隷になるのである。

昨日は、埼玉から夜遅くに帰宅した。朝起きると、どうやら今日も天気は良さそうだ。
昨日の強行軍の影響で、さすがに体が少しだるく、疲れている。
まあ、本日は母の日だし、散歩は午前中だけで、午後はゆっくりと家内にお付き合いしましょう。

本日のメインテーマは、昆虫ではなく、翁草:オキナグサである。
2年ほど前に、昆虫観察をしている時に、ある山の斜面で、このオキナグサの群落を偶然に見つけた。発見時はすでに花も終わり、綿毛の状態だったので、是非とも花の時期に、その場所をもう一度訪れてみたいと思ってきた。花の時期としては、今週あたりが良いはずだ。

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オキナグサのポイントに行く途中、伐採している場所を見つけた。カミキリムシでもいるかもしれないと、車から降りて探してみた。すると、交尾したスギタニルリシジミが飛び出し、目の前の枯れ葉に静止したのである。広角で撮影してみた。
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。。。。。。。。。。スギタニルリシジミの交尾Celastrina sugitanii

。。。。。。。。。。。 Copulation of Celastrina sugitanii
。。。。。。。。。。。.Ricoh GR-D, ASA 100
。。。。。。。。。。。.(2007-May-13, Yamanashi)


さらに、虫の目レンズで撮影してみた。上下だけ少しトリミングしている。
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。。スギタニルリシジミの交尾 Celastrina sugitanii

。。。 Insect-eye image of copulation of Celastrina sugitanii
。。。.Ricoh Caplio GX-8, gyorome-8, ASA 100
。。。.(2007-May-13, Yamanashi)


スギタニルリシジミを撮影した後、周りの葉を見ていたら、ハムシを見つけた。
初めはルリハムシと思っていたが、自宅で図鑑で調べたら、どうやらキオビアオハムシにより似ている。一応、キオビアオハムシとしておく。
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。。キオビアオハムシ Agelasa nigriceps

。。。 Insect-eye image of Agelasa nigriceps resting on the leaf
。。。.Ricoh Caplio GX-8, gyorome-8, ASA 100
。。。.(2007-May-13, Yamanashi)


さらに交尾しているケブカクチブトゾウムシにも会うことができた。
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。。ケブカクチブトゾウムシ Myllocerus fumosus

。。。 Copulation of Myllocerus fumosus
。。。.Ricoh GR-D, ASA 100
。。。.(2007-May-13, Yamanashi)


リンゴコフキゾウムシが葉上で静止していた。
形、色彩が良く似た種類が多いので、同定に苦慮する。
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。。リンゴコフキゾウムシ Phyllobius armatus

。。。 Phyllobius armatus resting on the leaf
。。。.Pentax K100D, Tamron 70-300, ASA 200
。。。.(2007-May-13, Yamanashi)

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オキナグサはキンポウゲ科の多年草で、「まぼろしの野草」といわれている。
山梨県でもその自生地は少なく、レッドデータブックでは、絶滅危惧II類に分類されている。

2年前に見つけた群落に到着すると、以前に綿毛だけ見たものが、正しくオキナグサであることがわかり、とても嬉しかった。しかし、花の周りに足跡があり、この群落を知るのは虫林だけではなさそうだ。

環境も写しこんだ広角写真を出したいところだが、密猟者に情報を与える恐れがあるので控えることにする。残念ではあるが、仕方がない。
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。。オキナグサPulsatilla cernus

。。。 Colony of Pulsatilla cernus
。。。.Pentax K100D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-May-13, Yamanashi)


オキナグサはうつむいたように下を向いた釣り鐘型の花を咲かせる。翁というよりは「乙女」のイメージだ。花が古くなると、向きが徐々に上を向くようになる。これをオバタリアンというそうだ(その命名は小生ではないですよ、念のため)。
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。。オキナグサPulsatilla cernus

。。。 Colony of Pulsatilla cernus
。。。.Pentax K100D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-May-13, Yamanashi)

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。。。。。。。。。。オキナグサPulsatilla cernus

。。。。。。。。。。。 Colony of Pulsatilla cernus
。。。。。。。。。。。.Pentax K100D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。。。。。。。。。.(2007-May-13, Yamanashi)


オキナグサにはかなり長い毛が密生しており、逆光で見たときにその毛が光って綺麗だ。こうしてみると、不思議な魅力を持っているようにみえる。
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。。。。。。。。。。逆光のオキナグサPulsatilla cernus

。。。。。。。。。。。 Colony of Pulsatilla cernus
。。。。。。。。。。。.Pentax K100D, Pentax DA 10-17mm FISHEYE, X1.4 Telecon,, ASA 200
。。。。。。。。。。。.(2007-May-13, Yamanashi)

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初夏になり、森の中をただ歩くだけで、鳥はさえずり、色々な虫に出会える。
ゆっくりと自然に浸りながら歩いてみたい-----。
by tyu-rinkazan | 2007-05-15 00:19 | ▣スギタニルリシジミ | Comments(28)