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DIARY Vol.10 (700): #63, 2015 :  

<翅を開かない蝶たち>
蝶の中には、静止時にけっして翅を開かない種類がいくつもある。
例えば、春に出現するコツバメという蝶の開翅シーンを見た人はたぶんいないだろう。
翅表に大きな橙色の紋があるベニモンカラスシジミの開翅を見た人がいるだろうか。

ひるがえって、クロコノマチョウも翅を開かない蝶のひとつだ。
これまで飛翔撮影以外に、この蝶の翅表を撮影できていない。
この蝶は翅裏が超地味だけど、翅表はそれなりに美しいのだ。
いつかクロコノマの開翅を撮影したいと思っていた。


寒い朝

本日(土曜日)の朝は今年一番の寒さになった。

こんなに寒いと生来レイジーな虫林は布団から出るのが億劫になる。
とにかく、布団から這い出て、カメラを片手にフィールドに出よう。
ということで、本日は少しでも暖かい県南部に進路をとった。

丘からは雪化粧の富士山と朝靄に包まれた市街地が一望できた。

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---- Morning mist and Mt. Fuji with snow overlooked from hill -- (Kofu-city, Yamanashi)

------- November-28/2015, Canon EOS 6D, EF100mm F2.8/L Macro IS USM


川面に湯気(水蒸気)が立ちのぼり、日陰の葉には霜のデコレーション。
自然がみせる冬の表情を撮影してみた。

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---- Steaming surface of the river and frosted Leaves-- (Nanbu-cho, Yamanashi)

------- November-28/2015, Canon EOS 6D, EF100mm F2.8L Macro IS USM



神社のウラギンシジミ

入り口に大きなイチョウの木がある小さな神社。

イチョウの葉が黄葉して美しい。いつもだとこの時期にはイチョウの葉は完全に落ちて、地面がイチョウの葉で埋め尽くされる。でも、今年は黄葉の時期(進行)がすこし遅れているようで、イチョウの木はまだ葉をつけたままだ。今年は例年よりも暖かいのかな?


神社に続く道の脇の垣根で、葉裏で休むウラギンシジミを見つけた。
ストロボを装着し、弱い補助光を用いて日中シンクロ撮影をしてみた。

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---- A Toothed Sunbeam resting under the leaf -- (Shibakawa-cho, Shizuoka)

------- November-28/2015, Canon EOS 70D, EF8-15mm F4L Fisheye USM, Speed Light 430 EX

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---- A Toothed Sunbeam resting under the leaf -- (Shibakawa-cho, Shizuoka)

-------- November-28/2015, Canon EOS 6D, EF100mm F2.8L Macro IS USM, MT-24EX Macro Twin Light



落ち柿とクロコノマチョウ

今年の柿は豊産らしく、どこでも沢山の実をつけている。
林に接した柿の木の下にはたくさんの柿の実が落ちていた(落ち柿)。
みると、落ちた柿の実は熟しすぎて(腐って?)、果肉が見えている。

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----Dropped persimmons on the ground -- (Shibakawa-cho, Shizuoka)

------- November-28/2015, Canon EOS 70D, EF8-15mm F4L Fisheye USM


しばらく見ていると、日中にもかかわらず大きなクロコノマチョウが出てきた。
大きな個体で、バタバタという羽ばたきの音まで聞こえてくるようだ。

クロコノマという蝶はとても敏感で用心深いようだ。
そっと近づいても、すぐに飛ばれてしまうことが多い。
でも、落ちた柿で吸汁している時には近接撮影が可能。
食いしん坊な蝶に違いない。

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----Dark Evening Brown-- (Shibakawa-cho, Shizuoka)

------- November-28/2015, Canon EOS 70D, EF8-15mm F4L Fisheye USM, Speed Light 430 EX


この個体は落ちた柿の近くに飛来して、翅を開閉しながら柿の実に近づいた。
そこで、開翅時にタイミングを合わせてシャッターを押してみた。
後で確認すると、うまい具合に半開翅とフル開翅した状態が撮影できていた。

これまでクロコノマの開翅は撮影したことが無かったので嬉しかった。

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----A Dark Evening Brown with the wings opened-- (Shibakawa-cho, Shizuoka)

------- November-28/2015, Canon EOS 70D, EF300mm F4L IS USM


クロコノマには明るい茶色の個体と黒っぽい個体がある。

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---- A Dark Evening Brown taking the nectar from dropped persimmon fruits -- (Shibakawa-cho, Shizuoka)

------- November-28/2015, Canon EOS 70D, EF300mm F4L IS USM



犬が寝るバス停留所

この集落のバス停の待合所には犬がのんびりと寝ていた。

人が多くていつも忙しい都会では、バス停の待合室の前に犬でも寝ていようものなら、むやみに可愛がられるか、さもなくば文句の一つも出るかもしれないな。そもそも犬の方も、車やオートバイが通り過ぎる道の脇では騒がしくてのんびりと寝ることができないだろう。ここの犬は何とも太平楽だ。

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----The rural bus stop with a sleeping dog-- (Shibakawa-cho, Shizuoka)

------- November-28/2015, Canon EOS 6D, EF24-70mm F4L IS USM



🔍虫眼鏡ノート

これまで、クロコノマチョウの翅表は撮影できないと思っていた。でも、虫林も拙写真を提供させていただいたフィールドガイド「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編, 2012)を見てみると、クロコノマの開翅写真が載っている。よくぞ撮影したものだと感心して、ため息をつきながら見ていた。今回、虫林もなんとかクロコノマの開翅シーンが撮影できた。カメラの液晶モニターで開翅を確認した時はとても嬉しかった。

蝶の開翅を撮影することの拘りや価値など、蝶の写真を撮っていない人にはまず理解できないに違いない。マニアックと言えばマニアックだが、それが蝶撮影の楽しみでもあるよね。

ウオールストリートジャーナルによれば、「自然の中に出かけると、創造性や幸福度、集中力が上がった」という研究結果が出ているとのことだ(http://www.lifehacker.jp/2012/06/120620naturemeritte.html)。たしかに、忙しい毎日の中で、ウィークエンドだけでもフィールドをのんびりと散歩すると精神的にも肉体的にも良いように思う。これからも、できるだけ散歩しようと思っている。

Written by 虫林花山


by tyu-rinkazan | 2015-12-03 01:01 | ▣クロコノマチョウ | Comments(23)

DIARY Vol.10 (695): #57, 2015 :  

本日(日曜日)は天気が良いが、朝の気温が今年一番の低さになった。
こんなに寒いと、レイジーな虫林は布団から出たくなくなる。
暁を覚えないのは春眠だけではなく秋眠もだね(一年中かも)。
昆虫・植物写真家の花虫さん花と虫の地球)と一緒に南に車を向けた。


柿の木と電車

線路の側で柿の木を撮影していた時、突然、身延線の列車がやってきた。
おっと、思わず「にわか撮り鉄(鉄道写真マニア)」になった気分で撮影。

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---- A Train of Minobu Line Running in Autumn-- (Shibakawa-cho in Shizuoka)

--------November-01/2015, Olympus Pen E-P5, MZD12mm F2.0 ED MSC



柿の木

昨年は柿の実の付きが不作だったが、今年は嬉しいことに豊作みたいだ。
たわわに実をつけた柿の木を撮影(いったいこの柿の実は何個あるのだろうか)。

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---- Persimmon Trees Heavy with Fruits-- (Shibakawa-cho in Shizuoka)

--------Olympus Pen E-P5, MZD12mm ED MSC



クロコノマチョウが出現

竹林では足元から突然、クロコノマチョウが飛び出した。

ゆっくりと歩くと次々に出てきた。かなり数が多い。
しばらくぶりで見るクロコノマは大きく感じる。
バサバサと音を立てるように飛んで地面に静止した。

相変わらず怪しい雰囲気の蝶だ。

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---- -A Dark Evening Brown in Bamboo Grove-- (Shibakawa-cho in Shizuoka)

---------Olympus Pen E-P5, MZD12mm ED MSC , Olympus Stylus TG-3


逆光では翅表の紋が出てきれいだ。

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---- -A Dark Evening Brown against the Sunshine-- (Shibakawa-cho in Shizuoka)

---------Canon EOS 6D, EF100mm Macro IS USM



ベニシジミ

青紋が発達したベニシジミの開翅。

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---- -A Small Copper Resting on the Stalk of Grass-- (Shibakawa-cho in Shizuoka)

---------Canon EOS 6D, EF100mm Macro IS USM



蜘蛛

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---- -A Spider Catching a Horsefly-- (Shibakawa-cho in Shizuoka)

---------Canon EOS6D, EF100mm F2.8/L Macro IS USM, Macro twin light MT-24EX



🔍虫眼鏡ノート

朝は布団から出にくい季節になったが、ウィークエンドナチュラリストを自認にている虫林は、週に一度はフィールド散歩に出ないと落ち着かない。そこで。花虫さんと相談して、県南部の里山に柿の実を見にいくことにした。今年の柿は豊作のようだが、葉が落ちていない。ちょうど中途半端な時期だったようで、柿の実の撮影はいまいちだった。でも、クロコノマがとても多い場所を見つけたのは良かった。

Written by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2015-11-02 01:19 | ▣クロコノマチョウ | Comments(4)

DIARY 9 (58): #619 :

山口百恵の「秋桜」を口遊みながらドライブしていたらコスモスのお花畑。
アゲハやヒョウモン類が飛び回っていた。

♪♪薄紅の秋桜が秋の日の何気ない陽だまりに揺れている~♪♪

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----- コスモス (秋桜)Cosmos

--------山梨県身延町 9月23日 (Canon EOS 6D, EF70-200mm F4 L IS USM + Ext. X1.4 II)


林の中の径では大きなクロコノマチョウが現れた。
飛ぶとバサバサと音がするようだ。
クロコノマチョウはいつも怪しい雰囲気を漂わせるな。

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----- クロコノマチョウ Dark Evening Brown

--------山梨県身延町 9月23日 (Canon 70D EF8-15mm Fisheye F4 USM, Canon EOS 6D, EF100mm Macro F2,8 L IS USM)



「釣り禁止」を見張っている監視アオサギ?

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----- アオサギ Grey

--------山梨県身延町 9月23日 (Canon EOS 6D, EF100mm Macro F2,8 L IS USM)




by tyu-rinkazan | 2014-09-23 22:12 | ▣クロコノマチョウ | Comments(2)

DIARY #559 :


最近は朝起きると寒い------布団から出るのが少し億劫に感じる。家内とゆっくり朝食を摂りながら、BSで再放送している朝ドラ「ちりとてちん」を見た。ちりとてちんの脚本家は女性らしいが、本当に落語を理解していて、ストーリーも文句無しに面白い。あまちゃんと同様にたった15分間で僕の心が揺さぶられてしまうのだから、ドラマのパワーには驚きだな。とにかく本日は寒いので、しっかりとレイヤードしてフィールド散歩に出かけた。


川面から湯気。
空から光芒。

自然の息づかい」を記録

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----- Light Beam

------ Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro




ムラサキシジミの青い輝きは構造色

暖帯林の中の陽だまり。どこからとなくムラサキシジミが飛来。
このチョウの翅の輝きを何に例えることができるのだろうか------宝石のサファイア?

この青い輝きは青い色素によるものではなく構造色。すなわち、ムラサキシジミの翅に油でもたらせば、凹凸の溝が埋まりその色は消失するはず(そんな馬鹿な実験はしないけどね)。

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----- Sapphire Butterfly (The Japanese Oakblue)

------ Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro


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----- Sapphire Butterfly (The Japanese Oakblue)

------ Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro




季節外れの新鮮なヒメウラナミジャノメ

明日から12月になろうとするこの時期にヒメウラナミジャノメを見つけた。
ファインダーでみると縁毛もしっかりあって新鮮にみえる------不思議。

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-----The Argus Rings

------- Olympus TG2 Tough


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-----The Argus Rings

------- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro




何とか出会えたクロコノマチョウ

今年クロコノマチョウを撮影したポイント。
歩き回ると足元から大きな黒いチョウが飛び立った-----クロコノマの♂。

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-----The Dark Evening Brown

--------- Olympus OM-D E-M1, ZD50-200mm


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-----The Dark Evening Brown

--------- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro


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----- Highpower View of The Dark Evening Brown

------- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro




その他 Miscellaneous

首だけを回転させてこちらを見るカマキリ。
僕はカマキリを含めて直翅目の昆虫は苦手。

カマキリの英名 praying mantis は、神にお祈りをしているキリスト教の僧侶の姿に似ているかららしい。この虫の影を見ると(影にフォーカスを合わせた)、確かにお祈りしているようにも見えなくもないが------。

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----Praying mantis

---- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro



陽気に誘われてキタキチョウも飛んでいた

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---Common Grass-yellow

---- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro



ホソミオツネントンボは小さくて茶色いので見つけようとしても難しい。
目の前に飛んでこないとわからないだろう。

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------Siberian Winter Damselfly

------- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro



ちょっと崖を崩すとクロオサムシが出てきた。

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------ Carabus albrechti

------- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro




POSTSCRIPT :
先週、虫林が主催する大きな学会が終了したので、今週は少しゆっくりしたいと思いました。でも、そんな甘いこともいっていられず福島原発事故の放射線被曝の影響調査を評価する部会に出席するために福島に出張してきました。住民の皆さんの健康に関する心配を少しでも軽減してもらうには、科学的な調査とともに粘り強く丁寧な説明と情報公開がこれからも必要だと痛感しました。何と言っても「福島の問題」は「日本の問題」。

来週から12月に入るが、年末は何かと忙しい。
何とかならないものかと毎年思うのだが-------。


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---- Winter Colour


Nature Diary vol.8 (67): #559, 2013
Date: November-30 (Saturday)
Place: Kofu in Yamanashi



by tyu-rinkazan | 2013-12-01 16:12 | ▣クロコノマチョウ | Comments(10)

DIARY #556 :


ホームページを開設した8年前に、管理人(自分)のハンドルネームを「 虫林花山」とした。それは郷土の武将・武田信玄の「風林火山」を捩ったものである。以後、ブログ仲間の間では「虫林(ちゅうりん)さん」で通っている。当初、「地味で暗くて、向上心も協調性も個性も華も無いパッとしない性格(あまちゃんのフレーズ)」の自分が、ハンドルネームを持つことであたかも別の人格になったような気がしたものだ。8年も経った現在ではそんな感覚は薄れてしまったが、名前には不思議なパワーがあるのは事実だね。

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立冬の候

本日(土曜日)は曇り時々晴れ。朝は少し寒い。
丘の上に車を走らせると黄変したブドウ畑。

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---- Vineyard

------ Olympus OM-D E-M1, MZD14-42mm + WCON-P01




黄葉の オオムラサキの幼虫

オオムラサキの幼虫を探した。
今年は幼虫の数は少ないようだが、何とか数頭を見つけた。
黄葉した葉の上の幼虫は茶色に変色して、すでに冬支度完了だ。

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----A Caterpillar of the Great Purple Emperor on the yellow leaf

----- Olympus OM-D E-M1, MZD14-42mm + WCON-P01, MZD60mm Macro



柿の実のクロコノマチョウ

林を歩くと足元からバタバタとクロコノマチョウが飛び出した。
クロコノマは草の間や地面に静止するのが、この時は木の幹に止まった。
赤茶色は♀(下の写真の下左)で黒褐色は♂(下の写真の左下)。

クロコノマは擬態もさることながらとても敏感で近寄るのに骨が折れる。
やはり、「曲者のチョウ」だ。

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---- Dark Evening Brown

----- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro



柿の木の周りを大きな茶色いチョウが絡むように飛んでいた。
静止したので確認してみると、どうやらクロコノマチョウ秋型だ。

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---- Dark Evening Brown

----- Olympus OM-D E-M1, ZD50-200mm



飛翔するクロコノマチョウを撮影。
フォーサーズの50-200mmはF2.8-3.5と明るいので、望遠飛翔写真にも良い。

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---- Dark Evening Brown

----- Olympus OM-D E-M1, MZD14-42mm + WCON-P01, ZD50-200mm




柿の実のウラギンシジミ

ウラギンシジミも柿の実を好む。
何頭ものウラギンシジミも見かけた。

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---- Toothed Sunbeam

------ Olympus OM-D E-M1, ZD50-200mm, MZD60mm Macro



Nature Diary vol.8 (64): #556
Date: November-09 (Saturday) /2013
Place: Kofu and Nambu in Yamanashi




by tyu-rinkazan | 2013-11-10 08:59 | ▣クロコノマチョウ | Comments(10)

Nature Diary #0207
Date: September 23rd, 2008
Place: Nanbu-cho, Yamanashi Pref.
Weather:Cloudy and sometime sunshine



§ Diary §

本日は秋分の日。
しばらくぶりで国道52号を南下した。

南部町の林道入口に車を止めて歩き始めると、多くの蝶たちが飛び出してくる。今日は久し振りに良い天気なので、今まで欲求不満だった蝶たちがいっせいに飛び出したようだ。



ウラギンシジミ; Angled Sunbeam

林道上にはウラギンシジミがとても多い。

ウラギンはその名の通り純白の翅裏をチラチラと点滅させて飛ぶ。この白い点滅は非常にめだち、樹上を飛翔しているウラギンはかなり遠くからでも視認できる。こんなに目立って鳥に食べられたりしないのだろうか?---------と「他人事」いな「他チョウ事」ながら心配してしまう。

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ウラギンシジミ (2008-September-23 南部町)

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Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


葉上に静止したウラギンを見ていたらゆっくりと翅を開いてくれた。目の前に現れた翅表のオレンジはとても鮮やかで息を飲む美しさだった。まるで葉上に花が咲いたようである。
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ウラギンシジミ (2008-September-23 南部町)

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Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400



クロコノマチョウ; Dark Evening Brown

ハンミョウを追って林道から少し外れた時に大きな褐色のチョウが飛び出した。大きさの印象はオオヒカゲほどもあろうか。クロコノマチョウだ!

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クロコノマチョウ (2008-September-23 南部町)

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Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


ここはクロコノマの密度が高い場所のようで、驚いたことに10頭ほどの個体が物陰から飛び出した。虫林はこれほど多数のクロコノマを一度に見るとは、ここが南国のような妙な気持になった。
まだ認知症なるには早すぎる。

翅裏の色調はかなり多彩で、褐色のものから黒っぽい色のものまで見ることができた。

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クロコノマチョウ (2008-September-23 南部町)

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Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


サプライズはまだ続いた。クロコノマの後を追って、土手を下り河原に出てみると、ススキの葉裏にクロコノマを見つけた。このチョウはほとんど動く様子がない。しかし、どうも様子が変だ。

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クロコノマチョウ (2008-September-23 南部町)

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Olympus E-510, ZD 8mm MACRO + Telecon (EC-14), ASA200 、ストロボ


拡大して見ると、チョウの裏側に蛹の殻があるではないか!
このチョウは羽化直後の個体だったのだ。

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羽化直後のクロコノマチョウ (2008-September-23 南部町)

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Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


もっと驚いたのは、傍のススキの葉裏に、蛹殻の傍に静止した羽化直後の別なクロコノマを見つけたことだ。1日で2回もこのような場面に出くわすなんて運が良いね。

久しぶりの晴天で気温が上昇し(発見時はおおむね正午)、今まで羽化待機していた蝶たちがいっせいに羽化したのだろうか。

2頭目の羽化直個体は、見たとたん異様な雰囲気がした。
明らか黒化しているようなのだ(黒化型?)。この個体はとにかく黒いので、カラスクロコノマという名前にしようかと思ったが「マックロクロスケ」の方がかわいいのでそちらにした(勝手にせい)。

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黒いクロコノマチョウ (2008-September-23 南部町)

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Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


このマックロクロスケは突然飛んで、近くの葉上に静止したので、E-510に広角レンズと外部ストロボを装着して、弱いストロボ光を用いて撮影してみた。

クロコノマだから黒くても良い気がするが、それにしても本当に黒い------。

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黒いクロコノマチョウ (2008-September-23 南部町)

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Olympus E-510, ZD 8mm MACRO + Telecon (EC-14), ASA200 、ストロボ


マックロクロスケが飛び去った後に葉裏に残された蛹の抜け殻を撮影して見た。

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クロコノマチョウの蛹殻 (2008-September-23 南部町)

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Olympus E-510, ZD 8mm MACRO + Telecon (EC-14), ASA200 、ストロボ



ツマグロキチョウ; Angulated Grass Yellow

南部町はツマグロキチョウが棲息している。飛んでいる黄色い蝶に気を配って歩いたが、キチョウばかりで、ツマグロキチョウはなかなか見つけることが出来なかった。

キチョウの集団吸水を撮影していた時に、近くの草上にそれらしいチョウを見つけた。走り寄って確認するとやはりツマグロキチョウだった。もう秋型になっている。

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ツマグロキチョウ (2008-September-23 南部町)

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Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400



ナガサキアゲハ; Great Marmon

林道を歩いていた時に、大きな黒いアゲハチョウが目の前を横切ったが、そのチョウは尾状突起が無かった-----ナガサキアゲハかもしれないと思った。

その後、樹上に静止しているナガサキアゲハらしき個体を撮影したが、少し遠かったので目に自信がない虫林は、それがナガサキアゲハであることをその時は確信できなかった。

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ナガサキアゲハ (2008-September-23 南部町)

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Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400


ヒガンバナで吸蜜している正真正銘のナガサキアゲハのオスを撮影することができた

ナガサキアゲハは静岡県ではすでに広く分布し、山梨県にも進出しているという噂は耳にしていたが、虫林は実際に県内でこのチョウを見るのは初めてだったので驚いた。

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ナガサキアゲハ (2008-September-23 南部町)

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Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400



オナガアゲハ; Long tail Spangle

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オナガアゲハ (2008-September-23 南部町)

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Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400



モンキアゲハ; Red Helen

モンキアゲハは山梨県でも見かけることがあるが、少ないので一応撮影しておいた。

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モンキアゲハ (2008-September-23 南部町)

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Olympus E-3, Sigma 150mm, ASA400



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§Afterword§

今回の県南散歩は、ハンミョウの撮影が本来の目的だったが、多数のクロコノマやナガサキアゲハなどを見ることができ、まるで南国を歩いているような気分になった。

これも温暖化の影響なのだろうか。

蛹殻の傍で静止しているクロコノマの羽化直の個体を2頭も偶然に見つけることができたのはとても驚いたが、その内の1頭は真っ黒だったのでさらに驚いた。これほど黒いクロコノマチョウは写真でも見たことはない。このマックロクロスケの翅表も見たかった。

今回はハンミョウなどの甲虫類もいくつか撮影したので、近いうちにそちらもアップしてみたい。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-09-24 01:49 | ▣クロコノマチョウ | Comments(24)

本棚の奥に、以前に購入したままでまだ開いてない本があった。買ったものの、多分、何かの事情で失念してしまったのだろう。その本は、「山梨自然の極」というタイトルのガイドブック(樋口富士雄編著)で、平成18年3月現在の山梨県指定自然環境保全地区など69箇所を紹介している。

この本は山梨日日新聞社の編集で、いわゆるご当地本といえるものだ。一応、県指定環境保全地区とやらにどの場所が入るのかを知る目的には良さそうな本である。しかし、内容面からすると、動植物に関する記載が簡単すぎるのが残念だ。

本を手に取って、パラパラとめくってみると、その中に「佐野の暖帯林」という記事があった。記事によれば、そこは高温多湿で、暖かい地方に産する樹木がまとまって生えているらしい。ほほ~、いつか山梨でキリシマミドリを撮影してみたいと思っている虫林は、その記事を読んで唾を飲み込んだ。

朝起きて、ゆっくりとコーヒーを飲みながら、地図で場所を確認してみると、昨年、ツマグロキチョウを見つけた河原と近いみたいだ。まあ、チョウの少ないこの時期だから、ツマグロキチョウの調査も兼ねて出かけてみることにしよう。

--------ということで、本日は県南の南部町までドライブすることにした。

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§佐野の暖帯林Warm temperate forest in Sano§

南部町までは、車で2時間ほどの距離である。山梨県最南の町で、一年中温暖な気候のためにfloraeも甲府市周辺とは異なり、暖地性の植物が多い。特記すべきは、江戸時代に現在の岩手県、青森県の一部を統治した南部藩のルーツがこの南部町であることだ。

写真は南部町の山間の立派な農家を撮影したものだ。このあたりの家ではお茶の栽培がとても盛んで、家屋裏の斜面を利用してお茶畑にしていること多い。
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。。茶畑を持つ典型的な南部町の農家

。。。Typical farmer’s house with tea field in Nanbu-cho
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


この辺りを訪れるといつも気になる看板がある。それは、「蝮(マムシ)養殖場」と書かれた看板だ。決してマムシが好きなわけではないが(むしろヘビはダメ)、ただ怖いものみたさとマムシ養殖場がどのようなものかという好奇心だけで、是非ともいつか見てみたいと思う。

ちなみに虫林は、これだけフィールドに出ていても、マムシは過去2度ほどしか出会ったことがないのだ(東京の高尾山と山梨の本栖高原)。
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。。マムシ養殖場の看板

。。。Nameboard of pit viper breeding farm
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


車ですれ違うのが困難な細い山道を少しひやひやしながら抜け、やっと着いた佐野の部落には案内板など全く無い。あれれ、どうしようかと思案していると、ちょうど現地の人がふらっと現れた。地獄に仏とばかりに、佐野の暖帯林のことを訪ねると、後ろの斜面の上にある林を指差し「多分、八幡神社の森だ!」という。なるほど、その暖帯林とは、どうやらこのあたりの鎮守の森のことなのだ。納得、納得

早速、行ってみると、たしかに暖帯林の林の前に神社を示唆する赤い鳥居があった。鳥居をくぐり、急な階段を登ると、ひどいクモの巣だ(あまりヒトが来ないところらしい)。一番奥には、少し崩れかけたような舞台があるだけで、ほかに何も無かった。

確かに暖地性の常緑広葉樹の巨木があったが、その林の規模は非常に小さい。正直なところ少しガッカリしてしまった。はるばる2時間もかけて来たのに------。

これはハズレだ!

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。。佐野の暖帯林

。。。Warm-temperate forest in Sano
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


しかし、よくみるとそこにはタブの巨木が1本あった。タブの木は海岸性の樹木のはずだ。そのタブがなぜこんな内陸にあるのだろうか?---------驚きだ。
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。。タブノキの葉

。。。Machilis thunbergii”
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)

カシなどは、佐野の部落の周りにかなりある。むしろこちらの方が面白そうだ。
また、春にはこの辺りにギフチョウも発生するが、採集禁止の看板がところどころに出ていた。

いつかゆっくりと昆虫相を調査してみたいと思う。

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§クロコノマチョウ The dark evening brown§

早々に、暗くて蚊が多い「佐野の暖帯林」を離れて、ツマグロキチョウのポイントに向かうことにした。途中で、眼下に良さそうな河原があり、もしかしてハンミョウでもいないかと思い寄り道してみることにした。河原までは林の中の斜面をしばらく降りなくてはならない。ゆっくりと注意深く斜面を降り、下の林に着いたときに、大きな黒いチョウが足元から飛び出した。

クロコノマチョウに違いない!

静止した場所を一瞥して、カメラの準備をした。しかし、それがまずかった。クロコノマは地面で静止していると、忍者のように全く気配を消してしまう。

よーし、勝負じゃ! 絶対に見つけてやる!
-----と心に誓い、じっくりとチョウが静止したあたりを凝視した。

視力の良くない虫林であるが、虫を見つける目(虫眼力)は多少は持っているはずなのだ。
しかし、どうしたことだろう見つからない。

そんなはずは無いとさらにゆっくりと見てみると、やっと枯葉の上で“枯葉化けの術”を使って息を殺しているクロコノマを発見することができた。
僕の勝ちだ! (勝手に勝負して、勝手に喜んでいる)

写真はGR-Dで撮影したものだが、クロコノマがどこにいるのか簡単にわかるかな?
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。。。。。。。。。。地面で静止するクロコノマチョウ

。。。。。。。。。。。The dark evening brown resting on the ground
。。。。。。。。。。。 Ricoh GR-D, GW-1, ASA 100
。。。。。。。。。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


クロコノマは山梨県では南部町で棲息が確認されているが、他所では遇産的に見られる程度だ。多分、他所で発生した固体は、簡単には冬を越せないのだろう。まあ、暖冬とはいえ、あまり北上して欲しくないものだ。

とにかく、南部町でもそれほど個体数は多くないので、見つけると嬉しい。
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。。地面で静止するクロコノマチョウ

。。。The dark evening brown resting on the ground
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 500
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)

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§ツマグロキチョウ The angulated grass yellow§

昨年見つけたツマグロキチョウの棲息する河川敷に到着して、探し始めるとすぐに葉の上に静止する秋型の個体を発見することができた。
今年もどうやら健在みたいだ。

本種の夏型は発生地からあまり離れることが無いみたいだが、秋型は結構分散してしまうみたいだ。しかし、この時期ではまだ分散前のようで、比較的まとまってみることができた。ツマグロキチョウは秋になると「旅人」に変身する。

食草のカワラケツメイの分布状態を調査してみたが、どういうわけかカワラケツメイが見当たらないのだ。昨年は所々で見た記憶があるのだが--------。おかしいな?
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。。葉の上に静止するツマグロキチョウ:広角

。。。Wide angle view of the angulated grass yellow on the leaf
。。。 Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)

GR-Dで近接撮影した。葉上に静止しているツマグロキチョウをみると、秋型の特徴である翅先のトンガリがめだち、後翅裏面に横縞がある。

この蝶は昔は秋になると家の庭にも良くやってきた。しかし、よく言われることであるが、最近はその数が減少してしまったということだ。「増えるチョウ」と「減るチョウ」の要因はなかなか難しいよね。
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。。。。。。。。。。葉の上に静止するツマグロキチョウ

。。。。。。。。。。。: Wide angle view of the angulated grass yellow on the leaf
。。。。。。。。。。。 Ricoh GR-D, ASA100
。。。。。。。。。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


写真は100mmマクロでの写真である。
虫林は100mmマクロレンズで撮影した写真の独特の雰囲気がとても好きである。バックのボケもやわらかで良い。ペンタのデジタル対応の100mmマクロは非常に小さくて、使い易いですぞ!
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。。。。。。。。。。葉の上に静止するツマグロキチョウ

。。。。。。。。。。。: The angulated grass yellow resting on the leaf
。。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 200
。。。。。。。。。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


ツマグロキチョウは、ナミキチョウと混生していることが多い。
ツマグロは飛んでいるときにキチョウとの区別が難しい(無理かも?)。印象としては、キチョウよりも少し小型で、飛翔も本種の方が少し弱々しい。
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。。飛翔するツマグロキチョウ

。。。Flying :the angulated grass yellow
。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 800
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


キチョウの仲間の飛翔はそれほど速くないので、飛翔写真が撮影し易いチョウといえる。今回は、横位置とともに初めから縦位置でも撮影してみた。写真は少しトリミングしているが、初めから縦位置でねらってもそれほど難しくはない。
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。。。。。。。。。。飛翔するツマグロキチョウ

。。。。。。。。。。。 Flying :the angulated grass yellow
。。。。。。。。。。。 Pentax K100D, Sigma 18-50mm, ASA 800, trimming(+)
。。。。。。。。。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


飛翔するツマグロキチョウを追跡していると、くもの巣に引っかかってしまった。
クモが素早く寄ってきたが、間一髪で逃れることができた。クモの巣にかかった時は、どうなることかと思い、少し緊張したが、逃げることができてホッとした。
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。。クモの巣にかかったツマグロキチョウ

。。。An angulated grass yellow caugh with spider web
。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 200
。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)


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§ウラギンシジミ§

この時期、車を運転しながら外をみると、ウラギンシジミが飛ぶのが目立つ。南部町ではとくに個体数も多いようだ。翅を開いて葉上に静止した本種が、青空をバックにしてとても綺麗だった。
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。。。。。。。。。。葉上に静止するウラギンシジミ

。。。。。。。。。。。 Curetis acuta paracuta resting on the leaf
。。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Pentax D-FA 100mm Macro, ASA 200
。。。。。。。。。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)

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§キタテハ§

タテハチョウの仲間は季節によって「衣替え」をする。キタテハもごたぶんにもれず、ギザギザした橙色の秋服を身にまとって、すっかり秋の装いだ。

キタテハは夏服よりも秋服の方が何となく好ましい。
---と思うのは虫林だけか?
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。。。。。。。。。。吸蜜するキタテハ

。。。。。。。。。。。 Polygonia c-aureum feeding on the flower
。。。。。。。。。。。Ricoh GR-D, GW-1, ASA 100
。。。。。。。。。。。(2007-October-07, Nanbu-cho, Yamanashi)
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§Epilogue§

この時期になると、蝶の撮影も一段落といったところで、来年の撮影のための調査も兼ねて出かけることが多くなる。汗ばむほどの暑さも過ぎ、気持ちよい秋の一日をのんびりと散歩するのはとても嬉しいものだ。

今回訪れた「佐野の暖地林」は、あまりに規模が小さすぎて期待はずれであった。でも、暖地性植物はこの辺り一体に分布し、林の中にはいるとクロコノマチョウも出現して、暖地の雰囲気を満喫できた。

しかし、暖地性のチョウの調査なら、いっそのこと伊豆半島の南端周辺に行きたいものである。秋から冬にかけて、毎年そう思いながら、いざ行くとなると二の足を踏んでしまう。
by tyu-rinkazan | 2007-10-08 10:58 | ▣クロコノマチョウ | Comments(36)

我々、ナチュラリストは昆虫や植物の状態や分布から、温暖化や暖冬あるいは自然界の異常を察知するのだ。
ウィークエンド・ナチュラリストを自認する虫林も、最近の北進する昆虫たちの勢いに垂れた目を丸くして驚いている次第である。

クロコノマチョウは、以前は山梨県には分布していなかった蝶である。しかし近年、静岡県に近い県南の南部町や身延町では越冬する個体が観察されているらしい。

そうだ!今日はクロコノマチョウの撮影に行ってみよう。
この蝶は秋になると個体数が多くなるはずだから、撮影できるかもしれないぞ。

-----------というわけで、山梨県南部の町、南部町を訪れてみた。

クロコノマは英名を Dark Evening Brownというように、夕方の薄暗い時間帯に好んで活動する蝶なのだ。日中は暗い林の中にいるので、通常、見つけるのが難しい。
そこで、モウソウチクの混在するやや薄暗い林の中の道を歩いてみた。



◆クロコノマチョウが棲む林
d0090322_85634.jpg
= Ricoh GR Digital, F3.2, 1/60, -1.3 補正、ASA100 =



突然、目の前の茂みから大きな黒い蝶が飛び立った。
そのまま飛び去るのかと思いきや、近くの木の枝の葉上に静止した。
クロコノマチョウだ! ウーム、なんと大きい蝶なのだろう。

ところが、やっと出会ったクロコノマ君は意外に敏感で、近づくとすぐに飛んでしまう。
まるで、鬼ごっこをやっているみたいだ。

うーむ、このままではいつまでたっても撮影ができないぞ-----------。
よし、こうなったら説得作戦を展開しよう!。
静止するクロコノマ君に向かって、自分は怪しい人間ではないこと、危害を絶対に加えないこと、写真を1枚だけ取らせてほしいこと、などを必死で犯人いやクロコノマ君に訴えた。

最後にはクロコノマ君も納得してくれたみたいで、何とか数回だけシャッターを押すことができたのだ。

絞り開放、ASA800で、シャッター速度がやっと1/90だ。いかに暗い林だったかわかるだろう。
気が付くと、竹林のかなり奥まで入ってきてしまい、元の道に出るまで少し時間がかかった。



◆静止したクロコノマチョウ秋型 Dark Evening Brown 
d0090322_853057.jpg
= Pentax K100D/Pentax D-FA 100mm MACRO, F2.8, 1/90, ASA800 =



その後、数箇所の別な林に立ち寄ったが、クロコノマを見つけることは出来なかった。

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次にツマグロキチョウを探してみることにした。
今までどういうわけか、山梨県内でツマグロキチョウを観察していなかったのである(静岡県ではあるが)。
ここは、静岡県にも程近いので、ツマグロキチョウがいてもおかしくない、否、いるはずだ、否、いなければならない。

富士川の河川敷からそれほど離れていない、山林の中の草原を探した。
セイタカアワダチソウなどの咲く場所を覗いてみると、はたしてツマグロキチョウ君が飛んでいるではないか。



◆ツマグロキチョウの棲息地◆
d0090322_854631.jpg
= Ricoh GR Digital, F3.2, 1/60, -1.3 補正、ASA100 =



ツマグロキチョウは1頭ではなく、数頭がふわふわと飛翔したり、地面や背の低い草上で休止していた。これだけ複数のツマグロキチョウがいると、落ち着いて観察することができる。

秋の雰囲気を出したいので、黄葉した葉に止まったツマグロキチョウをやや逆光気味に撮影していたら、ナミキチョウ(写真の上方)がちょっかいを出しにきた。
その時、ツマグロキチョウがもじもじしながら少し開翅したのだ。キチョウ類の開翅は今まで見たことがない。貴重?

でも、これは交尾拒否行動によるもので、本当の開翅写真ではなく、偽開翅写真といわざるをえない。



◆黄葉した葉上に静止するツマグロキチョウ > Angulated Grass Yellow
d0090322_861890.jpg
=GR Digital =



どこでもアメリカセンダングサが猛烈に増えている。
ツマグロキチョウは同時に咲いていたセイタカアワダチソウよりもセンダングサの方が好きみたいだ。

アメリカセンダングサの花で吸蜜しているツマグロキチョウを撮影した。
翅辺縁の細かい毛が逆光で光り、なかなか綺麗だ。



◆ツマグロキチョウ Angulated Grass Yellow  の吸蜜
d0090322_863466.jpg
= Ricoh GR Digital, F5.6, 1/380, ASA400=



おとなしいツマグロキチョウに会ったので、超アップの写真を撮影した。
アップで見ると、細かい黒点が散在しているのがわかる。

本当はGRデジタルで撮影したかったが、どうしても蝶がカメラの影に入ってしまうのだ。



◆ツマグロキチョウ > Angulated Grass Yellow
d0090322_865092.jpg
= Pentax K100D/Pentax D-FA 100mm MACRO, F4.0, 1/1500, ASA400 =



ツマグロキチョウの飛翔はゆっくりで、飛翔写真も撮影しやすい。
ちなみに、この写真はトリミングしていない。



◆ツマグロキチョウ > Angulated Grass Yellow  の飛翔◆
d0090322_8641.jpg
= Ricoh GR Digital + GW1, F7.1, 1/1070, ASA200 =




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路傍でホトトギスの花を見つけた。
咲いていたのはこの1輪だけで、時期的にはもう遅いので、花はこれが最後なのかも知れない。
綺麗な花だ。



◆ホトトギス◆
d0090322_87781.jpg
= Pentax K100D/Pentax D-FA 100mm MACRO, F8.0, 1/30, ASA400 =



マムシ養殖場が近くにあるみたいだ。
虫林は色々なところを散歩しているが、幸いにしてマムシは過去2回しか見たことがない。
1回は高尾山の日陰沢で、あとの1回は本栖高原だ。



◆看板◆
d0090322_872429.jpg
= Pentax K100D/Pentax D-FA 100mm MACRO, F5.6, 1/1000, ASA400 =



マムシ養殖場がどういうところか非常に興味があったが、本日は午後に家内の手伝いを約束してしまったので、帰らなければならない。
by tyu-rinkazan | 2006-10-22 08:23 | ▣クロコノマチョウ | Comments(26)