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DIARY Vol.10 (684): #46, 2015 :  

先日、家の棚を整理していて、以前に愛用していたリコーのGR Digital IIIを見つけた。このカメラは数年前にオリンパス TOUGH TG-3 を購入してからお蔵入りしていたのだが、昔のGRを意識した「コンパクトな黒塗りツヤ消しボディ」は今見てもやはり格好良い。どこか故障しているわけでもないので、このまま寝かしておくのはもったいない。いつもポケットに入れて普段使い用のカメラにしよう。

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---- GR-D IIIで撮影したトリカブトの花- Monkshood

-----(Yamanashi, 23/August/2015, Ricoh GR-D III



ベニヒカゲが飛ぶ草地にて

本日(日曜日)は雲が多いがなんとかもちそうだ。
そこで、ベニヒカゲに会いに八ヶ岳を散歩することにした。
1年に1度はこの蝶に会わないと落ち着かないからね。


汗をかきながらダケカンバの林を抜け針葉樹林(トウヒ)帯に入った。
立ち止まって見渡すとガレ場の草つきに小さな黒っぽい蝶の姿を見つけた。
今年もベニヒカゲに会うことができた。

ベニヒカゲは少し飛んではトウヒの幼木の枝に静止した。

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---- ベニヒカゲ-The Japanese Argus

-----(Yamanashi, 23/August/2015, Canon EOS 70D, EF8-15mm F4/L USM FISHEYE


ベニヒカゲの飛翔はあまり速くないので、飛翔写真を撮影することにした。

でも、曇っていて光量が少なめなのと、黒っぽい蝶なので林を背景にするとコントラストがつきにくい。
ハイスピードシンクロでストロボを補助光にして蝶の姿を強調してみた。

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---- 飛翔するベニヒカゲ- The Japanese Argus

-----(Yamanashi, 23/August/2015, Canon EOS 70D, EF8-15mm F4/L USM FISHEYE, ストロボ(+)


この場所にはヤツタカネアザミ以外の花はほとんどない。。
ベニヒカゲはたまにこのアザミでの吸蜜が観察できた。

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---- ヤツタカネアザミで吸蜜するベニヒカゲ- The Japanese Argus

-----(Yamanashi, 23/August/2015, Canon EOS 6D, EF100mm F4/L IS USM


ベニヒカゲの個体変異。
下の上下の写真の個体の紋をみると少し違いがあるのがわかるだろう。

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---- ベニヒカゲの紋変異- The Japanese Argus

-----(Yamanashi, 23/August/2015, Canon EOS 6D, EF100mm F4/L IS USM


正面からベニヒカゲを近接撮影。
小さなGR−D IIIにストロボ+自家製ディフューザーを用いた。

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---- ベニヒカゲ- The Japanese Argus

-----(Yamanashi, 23/August/2015, Ricoh GR-D III



ダケカンバの樹液にエルタテハ

ダケカンバの幹に何頭ものエルタテハが集まっていた。
どうやら樹液が出ているようだ。

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---- エルタテハ - The Large Comma

-----(Yamanashi, 23/August/2015, Canon EOS 6D, EF100mm F4/L IS USM



イチモンジセセリ

ここは標高が亜高山帯だが、イチモンジセセリが多い。
彼らは集団で移動の途中なのだろうか。

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---- イチモンジセセリ - The Strait Swift

-----(Yamanashi, 23/August/2015, Canon EOS 6D, EF100mm F4/L IS USM



シラフヒゲナガカミキリ

トウヒの樹幹にシラフヒゲナガカミキリのメスを見つけた。
シラフヒゲナガカミキリは高標高の針葉樹に集まる。

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---- シラフヒゲナガカミキリ-Monochamus (Monochamus) nitens

-----(Yamanashi, 23/August/2015, Canon EOS 70D, EF8-15mm F4/L USM FISHEYE



アカアシクワガタ

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---- アカアシクワガタ-Monochamus (Monochamus) nitens

-----(Yamanashi, 23/August/2015, Canon EOS 6D, EF100mm F4/L IS USM



🔍虫眼鏡ノート

高山蝶のベニヒカゲは毎年一度は会いたい蝶である。

そこで、数年前に見つけたベニヒカゲが多い草つきまで散歩した。ベニヒカゲの個体数は例年に比較して少ないようだったが、新鮮な個体が多くみられたのが嬉しかった。高山の草つきに独り佇み、ベニヒカゲの飛ぶ姿をみるのは何とも満ち足りた時間に想える。今回の散歩では久しぶりにGR−D IIIをポケットに入れたが、やはり使いやすいカメラだと思う。

Written by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2015-08-26 21:31 | ▣ベニヒカゲ | Comments(8)

DIARY 9 (48): #610 :


曇っているうえに霧が辺りを包んだ。

それでも、針葉樹の幼木の葉上で開翅するベニヒカゲをみつけた。
ベニヒカゲを入れた「虫景写真」を撮影。

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----- 幼木の枝で休むベニヒカゲ The Japanese Argus

--------山梨県北杜市 8月23日 (Canon EOS 7D, EF 8-15mm F4L USM)



周りが明るくなると同時にベニヒカゲがあちらこちらで飛び始めた。
ストロボ光をハイスピードシンクロさせて飛翔個体を強調した。

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---- 飛翔するベニヒカゲ The Japanese Argus

-------山梨県北杜市 8月23日 (Canon EOS 7D, EF 8-15mm F4L USM, Speedlight 430EX)



下の2枚はベニヒカゲの翅表クローズアップ写真。
後翅表面の橙色紋(帯)は個体間の 多型性が目立つ。

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---- ベニヒカゲ The Japanese Argus

-------山梨県北杜市 8月23日 (Canon EOS 6D, EF100mm f2.8L Macro IS USM)



翅表を撮影できた12個体をランダムに並べてみた。

後翅の橙紋は連続と非連続に分かれるようだ。
連続紋: a、b、c、d、f、g、i
非連続紋: e、h、j、k、l

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---- ベニヒカゲの斑紋多型パネル

-------山梨県北杜市 8月23日 (Canon EOS 6D, EF100mm f2.8L Macro IS USM)



葉上で休むベニヒカゲと赤とんぼのツーショット。
何か語り掛けているようで面白い絵になったかな。

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---- 赤とんぼとベニヒカゲ The Japanese Argus

-------山梨県北杜市 8月23日 (Canon EOS 6D, EF100mm f2.8L Macro IS USM)



イネ科のノガリヤスで翅をのばす羽化直後の個体を見つけた。
地面で羽化してから茎を登ってきたようだ。

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---- イワノガリヤスに静止する羽化直後のベニヒカゲ The Japanese Argus

-------山梨県北杜市 8月23日 (Canon EOS 6D, EF100mm f2.8L Macro IS USM)


ベニヒカゲは地域変異が著しいといわれているが、個体変異もかなりありそうだ。他の山の個体でも斑紋多型パネルを作成してみたいと思う。斑紋多型という視点からみると、ベニヒカゲは興味が尽きない蝶でもある。


by tyu-rinkazan | 2014-08-27 14:36 | ▣ベニヒカゲ | Comments(8)

DIARY 9 (47): #607 :


八ヶ岳の静かな登山道-----訪れる人も少ない。

太いダケカンバに キベリタテハが静止した。
八ヶ岳の峨峨たる峰を背景に「 虫景写真」を撮影。

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----- ダケカンバのキベリタテハ Camberwell Beauty

--------山梨県北杜市 8月23日 (Canon EOS 6D, EF70-200mm f4L IS USM, Extender EF 1.4x II)



登山道脇の草地には背が高い ヤツタカネアザミが多い。

このアザミは、以前には ヤツガタケアザミと呼ばれていた。
しかし、1991年に八ヶ岳固有種の「ヤツタカネアザミ」として別種記載された。

一方、その後「ヤツガタケアザミは八ヶ岳からは見つかっていない」。
それでは、「ヤツガタケアザミはどこいった?」-----ややこしいな。

とにかく、ヤツタカネアザミとベニヒカゲの組み合わせはとても八ヶ岳らしいのだ。

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---- ヤツタカネアザミで吸蜜するベニヒカゲ The Japanese Argus

-------山梨県北杜市 8月23日 (Canon EOS 6D, EF70-200mm f4L IS USM, Extender EF 1.4x II, EF100mm f2.8L Macro IS USM)



ヤツタカネアザミの花上に2頭のベニヒカゲ。
当初、吸蜜しているように見えたが、よく見ると交尾していた。

ベニヒカゲの交尾撮影は初めて。

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---- 交尾するベニヒカゲ The Japanese Argus

-------山梨県北杜市 8月23日 (Canon EOS 6D, EF100mm f2.8L Macro IS USM)



この登山道では所々でネジバナのピンクの花を見つけた。
ネジバナは愛らしくて好きな野生ランの一つだ。

これまで平地の蘭と思っていたので、高標高地での出会いは意外だった。
注意深く見ていくと標高が2000mを越えても見られるようだ。

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---- ネジバナ Spiranthes sinensis var. amoena

-------山梨県北杜市 8月23日 (Canon EOS 6D, EF100mm f2.8L Macro IS USM)


登山者も少なくてとても静かな散歩道。のんびりと撮影するにはとても良い場所を見つけた。
ここはベニヒカゲやキベリタテハもそこそこ見られるので、来年も訪れてみたい。


by tyu-rinkazan | 2014-08-24 19:28 | ▣ベニヒカゲ | Comments(18)

Nature Diary #0195
Place: Minami-arupusu-shi, Yamanashi-Pref.
Date: August 9th (Saturday)
Weather: heavy downpour after fine



§ Diary §

ベニヒカゲを見に南アルプスに行く。

バスをおりてN川に沿った静かな林道をしばらく歩いた後、堰堤をまいて林を抜けると稜線まで一望できる広く開けた谷に出る。そこには草原状に草つきが発達し、グンナイフウロ、タカネニガナ、タカネナデシコ、キオン、マルバダケブキなどの花々がこの時期には咲き誇っている。

誰もいない谷の草つきに一人で寝転んで風に吹かれてみたい---------と後に訪れる災難(災難1,2)も知らずに呑気に考えていた。

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南アルプスの峪 (2008-August-9, 南アルプス市)

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A habitat of the Japanese Argus in the valley of South Alps.
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EX MACRO



クモマベニヒカゲ

(災難1)
歩きにくい斜面を登り、沢をこえた。しかし、本日は沢の水が多く、不覚にも石の上で足を滑らしてしまった。ずぶ濡れになったが、幸いカメラはケースに入れていたので助かった。沢の渡りは足が濡れてもよいから、安全な場所で水の中を行くのが良い。


この谷にはここ数年通っている。今回はベニヒカゲが目的だったがまだクモマベニヒカゲも見ることができた。クモマベニヒカゲは2000mを超す高地にしか生息しない高山蝶で、白黒のフリルのついた翅には、赤橙色の帯に眼状紋を持ち、縦に走る白い帯が大きなアクセントになっていてとてもオシャレに見える。

この開けた谷にふさわしい住人(住チョウ)だ-----。

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マルバダケブキで吸蜜するクモマベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Arran Brown
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EX MACRO

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マルバダケブキで吸蜜するクモマベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Arran Brown
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)



ベニヒカゲ

ベニヒカゲを見るには少し時期的に早いかなと思ったが、草つきの所々で飛んでいた。しかし、やはり発生初期のようで、見かけたベニヒカゲの大部分はオスだった。このチョウは黄色い花がとくに好きなようで、キオンやマルバダケブキの花で吸蜜していた。

ここのベニヒカゲは、とても敏感で、なかなか近づいて撮影することが難しい。とくにキオンの花での吸蜜では、ベニヒカゲがいる花までせっかく斜面を登ったり降りたりしても気配がしただけで飛ばれてしまうことが多いのだ。

殺気ならぬ撮気を消す術を身につけよう。。

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。。。。。。。。。。キオンで吸蜜するベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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。。。。。。。。。。The Japanese Argus
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。。。。。。。。。。 Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)

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。。。。。。。。。。飛翔するベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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。。。。。。。。。。Flying feature of The Japanese Argus
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。。。。。。。。。。 Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)、トリミング


この場所のベニヒカゲは、翅表の赤色帯が発達しておりとても綺麗だ。

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キオンで吸蜜するベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Japanese Argus feeding on the flower with the wings opened
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)

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マルバダケブキで吸蜜するベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Japanese Argus feeding on the flower
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)


この個体は、オスなのに、後翅裏にうっすらと帯が出ている。

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マルバダケブキで吸蜜するベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Japanese Argus feeding on the flower
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)


何を思ったか一頭のベニヒカゲが虫林のカメラに静止した。そこで、片手でベニヒカゲが静止したオリンパスを持って、広角レンズを装着したペンタックスで撮影した。

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カメラの静止したベニヒカゲ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Japanese Argus resting on my camera
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Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EX MACRO



ツマジロウラジャノメ

マルバダケブキの花には、ベニヒカゲなどに混ざってツマジロウラジャノメが吸蜜に来ていた。ツマジロウラジャノメは崖のチョウであるが、このような草原の花で吸蜜するのは意外だった。裏面の眼状紋が大きくはっきりしている。

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マルバダケブキで吸蜜するツマジロウラジェノメ(2008-August-9, 南アルプス市)

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The White-tipped Woodland Brown feeding on the flower
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)


ツマジロウラジャノメは1頭だけではなく、数頭が花から花へ飛び回っていた。花に訪れたところを飛翔写真で撮影してみた。

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飛翔するツマジロウラジェノメ(2008-August-9, 南アルプス市)

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Flying feature of the White-tipped Woodland Brown
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)



ギンボシヒョウモン

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。。。。。。。。。。飛翔するギンボシヒョウモン (2008-August-9, 南アルプス市)

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。。。。。。。。。。The Dark Green Fritillary
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。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EX MACRO、トリミング

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。。。。。。。。。。飛翔するギンボシヒョウモン (2008-August-9, 南アルプス市)

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。。。。。。。。。。 The Dark Green Fritillary
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。。。。。。。。。。 Pentax K10D, Sigma DC 18-50mm f2.8 EX MACRO、トリミング


ミドリシジミ

やや大型のシジミチョウが目の前にふらふらと飛んで静止した。あわてて近づいてみると、どうやらミドリシジミらしい。この時期にゼフは意外だった。

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ミドリシジミ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Green Hairstreak
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)


ミドリシジミは飛んで岩の上に静止して開翅した。翅を閉じていた時は結構新鮮だと思っていた。しかし開翅すると結構傷んだB型のメスだった。

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ミドリシジミ (2008-August-9, 南アルプス市)

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The Green Hairstreak
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Olympus E-3, ZD 50mm f2.0 MACRO + X1.5 Telecon (EC-14)


(災難2)
午前11時くらいから雲が多くなってきた。
ウーム、夕立が来るかもしれないなと思い、何はともあれ急いで峪を降りることにした。すると、案の定、林道に到着したとたん強い雨が降ってきた。

あわててポンチョをリュックから出して、頭からかぶり急いで歩いた。こんな時は簡単につけることができるポンチョがとても便利だった。ちなみにポンチョはゴアテックスのモンベル社製で、普通のポンチョに比べると少し値段は高いが、非常に軽いのと蒸れ難いのでとても便利だった。

途中、雷も鳴りだしたので、、おへそを隠して(ウソ)、一目散に走るように広河原まで歩いた。結局、いつもだと3時間の行程を、2時間で歩いたことになる。


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§Afterword§

虫林の好きな南アルプスの峪のベニヒカゲは、敏感で、昨年はろくな写真が撮影できなかった。しかし、今年は何とかまともな写真が撮影できたので嬉しく思う。でも、観察したベニヒカゲはほとんどオスで、メスは1頭(白色型)のみだった。

このところ、毎日のように午後になると夕立と雷が発生する。山の中での雷はとても怖い。雷を伴う豪雨の中を一人で歩くのはもうこりごりだ。



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-08-10 23:35 | ▣ベニヒカゲ | Comments(20)

毎日暑い日が続いている。数日前は埼玉県の熊谷市と岐阜県の多治見市で40.9℃という観測史上最高気温が記録されてしまった。甲府市はというと、37.4℃で、やっぱり暑かった。

この暑さのために、熱中症による死者も出たようだ。大体、体温より高い気温では具合も悪くなるよね。

夏に暑くなるのは自然の理、ならば涼しいところに行こうじゃないか。
-----ということで、涼を求めて南アルプスにベニヒカゲを見に行くことにした。

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朝寝坊してしまい(家内の予想通り)、始発のバスに乗り遅れた。
そもそも、南アルプスは交通規制されており、芦安の駐車場に車を止め、バスに乗り換えなくてはならない。北沢峠にはさらに村営のバスに乗り換えるのだ。それぞれのバスはあまり数が出ていないので、乗り遅れるとダメージが大きい。

南アルプスの交通規制は賛成だが、料金設定が少しおかしい。甲府駅から広河原までが1800円で、芦安の市営駐車場から広河原までが1000円なんて、利用客の足元を見ているとしかいいようがない。まあ、文句があるなら行かなければ良いでしょ、といわれると返す言葉も無いがね。

結局、バスから降りて歩き始めた時には日も高くなってしまった。
そこで、あまりノンビリ出来ないと思いベニヒカゲの棲む谷の入り口まで一気に歩いた。
あまり長い距離を歩いたことが最近無いので、少しきついが、メタボの虫林にはこの位が良いのだ。

ベニヒカゲの楽園への入り口となる堰堤。この堰堤を越えた谷が目的地だ。晩夏の高山蝶であるベニヒカゲを見に、今まで一体、何度ここを訪れたことだろうか。
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。。堰堤と仙丈ケ岳

。。。Landscape of Mt. Senjogatake
。。。. Ricoh GR-D, ASA 100
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)

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§ベニヒカゲ§

ベニヒカゲは、「ヒカゲモノ」(ヒカゲチョウの仲間)なのに、明るい開けた場所を好む。
ベニヒカゲを見るだけなら、もっと楽な場所(八ヶ岳の別荘地など)もあるし、ここでも林道脇のヒヨドリバナで、そこそこ見ることはできるのだ。しかし、ベニヒカゲは痩せても枯れても“高山蝶”なのだ。ならば、高山蝶としてふさわしい場所で、そしてふさわしい花で出会いたいものだ。

昨年も同じ時期にここを訪れているが、今年の発生数は昨年よりも少ないようだ。まだ♂の新鮮個体が飛びまわっているので、発生初期なのかも知れない。
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。。飛翔するベニヒカゲ Erebia neriene

。。。Flying feature of a male of Erebia neriene
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)


このベニヒカゲの楽園は、広い谷の草付きで、そこにはキオンやマルバダケブキの花が非常に多い。ベニヒカゲはマルバダケブキよりもキオンの花を好むようで、両者が混在している場合、キオンを選ぶ。贅沢な蝶である。ちなみにキオンの花はハンゴンソウに似ているが、葉の形態がことなり、ハンゴンソウに比べて華奢な感じがする。

しかし、黄色い花に黒っぽい蝶は露出が難しいよね。
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。。。。。。。。。。吸蜜するベニヒカゲ Erebia neriene

。。。。。。。。。。。A male of Erebia neriene feeding at the flower
。。。。。。。。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。。。。。。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)


山梨県では、ベニヒカゲは南アルプスと八ヶ岳に広く分布している。
南アルプスでは標高1600m以上の高地に棲息しているが、分布は不規則で、聞くところによると、櫛形山は標高2000mを越えているが、ベニヒカゲの記録が無いということだ。
------不思議だ。
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。。吸蜜するベニヒカゲ Erebia neriene

。。。 A male of Erebia neriene feeding at the flower
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)


ベニヒカゲは地理的な変異の多い蝶として有名で、多くの亜種名が与えられているが、実際には北海道亜種 scopariaと本州亜種 niphonicaと分けるくらいでよいのかもしれない。
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。。吸蜜するベニヒカゲ Erebia neriene

。。。 A male of Erebia neriene feeding at the flower
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)


ベニヒカゲの♂♀は、翅裏の紋を見れば一目瞭然である。
♂はほぼこの写真のように、後翅の裏面が真黒だ。

蝶屋はこの蝶の魅力を理解できると思うが、普通のヒト(特に若い女性)にこの蝶の魅力について聞いてはいけない。かならず、「ワ、これ蛾?」とか「ヤダー気持ち悪い~」といわれてしまう。まあ、我々ムシ屋は、一般社会から見れば異常な思考体系を持つことを自覚すべきだね。
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。。吸蜜するベニヒカゲ Erebia neriene

。。。 A male of Erebia neriene feeding at the flower
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)


荷物を置いてあった場所に戻ってみると、ベニヒカゲがペットボトルのキャップに静止していた。ヒカゲチョウの仲間に限らず、タテハチョウ科のチョウ達は、しばしば汗を吸いに体に止まったりするが、白いキャップに来たのはそのようなものではなく、花と間違えているのかもしれない。
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。。ボトルキャップに静止するベニヒカゲ Erebia neriene

。。。 A male of Erebia neriene feeding at the bottle cap
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)

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§ツマジロウラジャノメ§

この林道は、ベニヒカゲのほかにキベリタテハとツマジロウラジャノメを見ることができる。今回は発生時期が遅れているためか、キベリタテハは1頭も見ることができなかった。

ツマジロウラジャノメは沢の出合などでひらひらと舞っていたが、多くは雌であった。
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。。ツマジロウラジャノメ♀Lasiommata deidamia

。。。 A female of Lasiommata deidamia resting on the rock
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)


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§ブチヒゲハナカミキリ§

ブチヒゲハナカミキリはそれほど珍しいカミキリではないが、かといってどこでも見れるものでもない。鞘翅の色は赤であるが、やや黒っぽくなり、実際に真黒になるものもある。

丁度、ヒヨドリバナの花の周りで、マルガタハナカミキリやヤツボシハナカミキリとともに飛んでいたので、飛翔写真を撮影した。カミキリの飛翔は蝶に比べて直線的で、ゆっくりしているので、撮影し易い。
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。。飛翔するブチヒゲハナカミキリ Corymbia variicornis

。。。 Flying feature of Corymbia variicornis
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)

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。。ブチヒゲハナカミキリ Corymbia variicornis

。。。 Corymbia variicornis feeding on the flower head
。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)

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§ミヤマハンミョウ§

この林道にはミヤマハンミョウが多い。歩くと足元から飛び出し、すぐ前に静止する。
その中にいやに黒っぽい個体がいたので撮影してみた。ハンミョウはよく分からないが、ミヤマハンミョウの黒化型でよいのだろうか?
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。。。。。。。。。。ミヤマハンミョウの黒化型? Cicindela sachalinensis

。。。。。。。。。。 Cicindela sachalinensis resting on the ground
。。。。。。。。。。. Pentax K10D, Sigma 18-50mm, ASA 200
。。。。。。。。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)

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。。ミヤマハンミョウ Cicindela sachalinensis

。。。 Cicindela sachalinensis resting on the ground
。。。. Pentax K10D, Tamron 70-300mm, ASA 200
。。。.(2007-August-18, Minamiarupusu-shi, Yamanashi)

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今週は多分1年中で最も暑い週だったに違いない。そんな時には避暑も兼ねて、高山蝶に会いに行くのが一番良い。

ベニヒカゲは北海道では平地でもみる蝶らしいが、この蝶が平地で飛んでいたら、あまり嬉しくないだろうな思う。高山蝶は高山にいてこそ高山蝶なのだ。

明日の日曜日は、酷暑の中でゴマシジミを探すつもりだ。大丈夫だろうか?
by tyu-rinkazan | 2007-08-19 17:06 | ▣ベニヒカゲ | Comments(30)