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Nature Diary #0192
Place: Matsumoto-shi, Nagano-Pref.
Date: July 26th (Saturday)
Weather:Fine after cloudy



§ Diary §

土曜日は再び北アに行くことにした。

本日の目的は、天上のお花畑に遊ぶ高山蝶タカネキマダラセセリ(以下、タカネキとする)に会うためである。タカネキの遊ぶお花畑ポイントまでは山道を登らなくてはならないが、このかわいいセセリチョウに会うためなら、そのくらいの苦労はなんとも無い---------本当かいな?


タカネキマダラセセリ

岩の突き出た歩き難い登山路を、汗を拭きながらあえいで登るとやっとタカネキが棲む小さなお花畑に到着した。このポイントまでは、今まで何度も来た筈なのだが、今年はやけに遠く感じた。この現象は年のせいなのだろうか?

タカネキマダラセセリ、ポイントは年々遠くなりにけり-----虫林

雨は降っていないものの空には厚い雲が覆い、気温も低い。しかし、しばらく待っていると、雲の切れ間から時々日が差すようになってきた------すると待望の小さなスキッパーが斜面の葉上に飛来した。おっと、タカネキだ!

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タカネキマダラセセリ (2008-July-26, 松本市)

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A Checkered Skipper resting on the leaf
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Olympus E-510, ZD 8mm f3.5 + EC14


この個体は、食草のイワノガリヤスの多い草地の葉の上で、日光浴をしている。

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タカネキマダラセセリ (2008-July-26, 松本市)

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A Checkered Skipper resting on the leaf with the wings opened
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Olympus E-510, ZD 50mm f3.5 + EC14

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タカネキマダラセセリ (2008-July-26, 松本市)

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A Checkered Skipper resting on the leaf
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 Apo Macro DG HSM

青空も見え、日も差してきたが、その後タカネキは現れてくれなかった。結局、そこで見かけたのは少しすれた2頭のみだ。どうやら今年は個体数そのものが少ないみたいだ。2年前はかなり多くの個体をここで見ただけにこの少なさはどういうことだろうか?


クモマベニシヒカゲ

丁度、発生初期のようで、クモマベニヒカゲはどの個体も新鮮で美しい。朝、早い時間では、イワノガリヤスの葉の上に翅をひろげて日光浴する姿がしばしば認められた。

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クモマベニヒカゲ (2008-July-26, 松本市)

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An Arran Brown resting on the leaf with the wings opened
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 Apo Macro DG HSM


雲の切れ間から日が差すとクガイソウやアザミ、フウロソウなどの花で、さかんに吸蜜を始めた。気温が低いためなのだろうか、行動が非常にゆっくりとしていて、近づいても逃げようとしない。撮影しやすかった。

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。。。。。。。。。。クモマベニヒカゲ (2008-July-26, 松本市)

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。。。。。。。。。。 An Arran Brown feeding on the flower
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。。。。。。。。。。Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 Apo Macro DG HSM


クモマベニヒカゲは、濃い茶色の地に橙色の紋を配し、翅の縁には黒と白の縁毛が鮮やかだ。まるで白黒のフリルのついた礼服をまとった淑女のようにもみえる。お洒落な蝶である。

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クモマベニシヒカゲ (2008-July-26, 松本市)

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An Arran Brown with the wings opened
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 Apo Macro DG HSM


側面からみても、オレンジの紋と白い帯がめだつ。驚いたのは、頭部が長い毛で覆われていることだ。まるで、毛の中から目が出ているみたいで、よく見るとユーモラスだ。

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クモマベニシヒカゲ (2008-July-26, 松本市)

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An Arran Brown
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 Apo Macro DG HSM



コヒオドシ

川の砂の上で、吸水していたコヒオドシを見つけた。今年はこれで、本州に産する高山蝶9種類のうち、タカネヒカゲとベニヒカゲを除く7種類を観察したことになった。

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コヒオドシ (2008-July-26, 松本市)

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A Small Tortoiseshell feeding water on the ground with the wings opened
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 Apo Macro DG HSM

その他に見かけた蝶を列記する。
オオイチモンジ、クジャクチョウ、テングチョウ、フタスジチョウ、クロヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメキマダラヒカゲ、ヤマキマダラヒカゲ、ウラジャノメ、ツマジロウラジャノメ、キアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、アサギマダラ、ヒメシジミ、ミヤマカラスシジミ、


カミキリムシ

アザミの葉の上にモモグロハナカミキリを見つけた。このハナカミキリはほとんど花に訪れることはなく、葉上で偶然に見つけることが多い。通常、鞘翅の色は褐色であるが、この個体はかなり黒化している。高標高地では黒化するのが知られているので、典型的な高地型ということだろう。

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モモグロハナカミキリ(2008-July-26, 松本市)

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Toxotinus reini
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 Apo Macro DG HSM


登山道脇のイタドリやオオハンゴンソウの葉裏にしばしばヘリグロリンゴカミキリを見つけた。低地のものでは、前胸背は褐色で、高地になると黒色になり、ムネグロリンゴカミキリとも呼ばれている。

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ヘリ(ムネ)グロリンゴカミキリ(2008-July-26, 松本市)

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Nupserha marginella
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 Apo Macro DG HSM


葉上にいたクワサビカミキリ♀を撮影した。初めこのカミキリを見た時は、もしかして東北地方に産するタコサビカミキリかも知れないと思ったが、そうやらクワサビの♀のようだ。

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クワサビカミキリ♀ (2008-July-26, 松本市)

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Mesosella simiola
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 Apo Macro DG HSM

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飛翔直前のカラカネハナカミキリ (2008-July-26, 松本市)

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Gaurotes doris
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 Apo Macro DG HSM


コメツガと思われる倒木上に数匹のシラフヒゲナガカミキリを見つけた。
交尾していたが、近づくと上になっていたオスは、メスをそのままにして直ぐに下に落ちてしまった。

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シラフヒゲナガカミキリ (2008-July-26, 松本市)

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Monochamus nitens
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Olympus E-3, Sigma 150mm f2.8 Apo Macro DG HSM


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§Afterword§

タカネキはどういうわけか個体数が少なく、満足のいく写真が撮影できませんでした。しかし、クモマベニはとても新鮮な個体が多く、撮影が充分に楽しめたように思う。タカネキについてはさらにもっと標高が高い場所で狙ってみたいが、多分来年になるだろう。

タカネキの場所で、渡辺さんという方とお会いしたが、とても高山蝶に詳しい方だった。たしか、虫林が所有する本「日本の高山蝶」の著者が渡辺康之という名前だったが----もしかして同一人物なのかな。この本は文章、写真ともクオリティが高いので愛読している。

さらに、本日は大阪のIさんや「蝶アルバム」のAさんとも帰る道すがら同行していただき楽しい蝶談義を交わすことができた。お二人とも蝶についてとても詳しく参考になりました。

以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2008-07-30 22:23 | ▣タカネキマダラセセリ | Comments(20)