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DIARY #593:

長閑な陸中の里山を流れる川-----日本の原風景。
まるで「日本昔ばなし」の世界に入り込んだようだ。


 チョウセンアカシジミ

チョウセンアカシジミは隔絶された土地で命をつなぐ。

川岸にデワノトネリコの木の大きな葉を見ていくとオレンジ色のシジミチョウ。
チョウセンアカシジミ(以下、チョウアカ)だ。

チョウの横を車が通り過ぎた。

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---- The Korean Hairstreak

---- Olympus E-PL6, MZD12-40mm



チョウアカは黄色の地に白い縁取り赤い紋が並ぶ
何ともお洒落なチョウだ。

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---- The Korean Hairstreak

---- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro



チョウアカたちは「ナマケモノ」のように日中はトネリコの葉の上で夢を食べる。
午後になると見違えるほど活発になって飛び回った。

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---- The Korean Hairstreak

---- Olympus E-P5, MZD12-40mm, OM-D E-M1 60mm Macro



産卵シーンが観察できた。

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---- The Korean Hairstreak

---- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro, Olympus TG-2, Gyorome8




 ホシミスジチョウ

陸中は北上山地。
北上山地のホシミスジは小さい(フタスジくらい)。
北上亜種(kitakamiensis)。

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---- The Dod-dash Sailer (kitakamiensis)

---- Olympus OM-D E-M1, MZD60mm Macro




Notes :

今回は山形と岩手にだけ棲息する謎の蝶チョウセンアカシジミ(チョウアカ)をアップしました。チョウアカは午後から活性が上がるのだが、キマルリの時間にダブってしまうのが難点です(勝手な言い分だね)。

とにかく、キマルリ、チョウアカ、ホシミスジなど陸中地方は面白い場所だ。




Nature Diary vol.9 (33): #593, 2014
Date: June-28 (Saturday)
Place: Rikuchu, Iwate





by tyu-rinkazan | 2014-07-02 16:30 | ▣チョウセンアカシジミ | Comments(0)

Diary #524 :
岩手県盛岡市に出張のおりに、日曜日を利用して三陸を訪問。

レンタカーでチョウセンアカシジミの分布地に到着し、さっそく川沿いのデワノトネリコの幼木を見回ってみることにした。嬉しいことにすぐに何頭ものチョウセンアカシジミ(以下、チョウアカ)の姿を葉上で見つけることができた。今年は少し遅れているとのことで心配したがこれで一安心だ。

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- A Korean Hairstreak resting on the leaf

-----Canon EOS 7D, Sigma 10mm



チョウアカはいずれも羽化後数日の新鮮な個体。
翅裏に並ぶ白い縁取りの大きなオレンジ紋はなかなかオシャレで美しい。

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- A close-up view of the Korean Hairstreak

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 50mm Macro



午後になって活性が上がると、時々飛翔して葉上で開翅してくれたが、いずれもフルオープンではなくてせいぜい90度から100度くらいの開翅角度だった。でもその控えめさも良いものだ。

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-A Korean Hairstreak on the leaf with the wings semi-opened

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 50mm Macro



まだ発生初期で個体数が少ないためだろうか、午後になっても飛翔する個体は少なかった。

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- Fying feature of the Korean Hairstreak

-----Canon EOS 7D, Sigama10mm Fisheye, flash (+)



求愛飛翔後の交尾ペア。

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- A mating pair of the Korean Hairstreak

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 50mm Macro



デワノトネリコの木の幹で産卵する姿もしばしば観察できた。

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- Egg-lying of the Korean Hairstreak

----- Olympus OM-D E-M5+M-ZD 50mm Macro


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-The eggs of the Korean Hairstreak

-----Ricoh GRD IV



今回も(いつものように)かなり強行軍だったが、この時期の陸中にはそれだけの価値がある。今年は少し発生が遅れているといわれていたが、とにかくチョウアカの姿を見ることができたので安心した。やはり本種に会うとみちのく岩手の三陸まで来たことが実感できる。

その後、キマダラルリツバメの場所にそさくさと移動した。その結果は次回。


Nature Diary vol.8(37): #524
Date: July-01 (Sunday)/2013
Place: Iwate






by tyu-rinkazan | 2013-07-02 06:27 | ▣チョウセンアカシジミ | Comments(6)

=チョウセンアカシジミの村=
タイトルトップの写真は、チョウセンアカシジミ(チョウアカ)が棲息する村の風景です。緑がまぶしい水田の横を綺麗な小川が流れ、家の周りには満開のクリの花が咲いています。とても長閑で平和な風景ですが、ここから3.11の東日本大震災、津波の被災地(小本)までは、たった15~20㎞ほどしか離れていません。陸中のチョウアカの棲息分布は、今回の津波の被災地とかなりオーバーラップしています。

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Nature Diary #399

今週は所用で宮城県仙台市に出張しました。この時期の東北はゼフィルスシーズン最盛期ですので、足を伸ばして岩手県の陸中地方を一日だけ歩いてみました(いつも短い足を伸ばし過ぎ)。

» チョウセンアカシジミ; Coreana raphaelis The Korean Hairstreak

透明な水が流れる川沿いの道に沿って歩を進めていくと、デワノトネリコ(チョウアカの食樹)の葉の上に小さなオレンジ色のチョウがひっそりと静止しているのを見つけました-----チョウアカです。

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デワノトネリコの葉に静止するチョウセンアカシジミ♂ (岩手県岩泉町、7月7日)
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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



チョウアカの最盛期は過ぎていますので、新鮮とは言い難い状態ですがやはり綺麗です。お腹の感じからすると、多分♀なのでしょう(実は♂らしい)。陸中のチョウアカは山形産とちがい、♂♀の色彩に差がありません。

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チョウセンアカシジミ♀ (岩手県岩泉町、7月7日)
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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400、外部ストロボ



上とは別の個体ですが、しばらく見ていると、ゆっくりと翅を開いてくれました。
陸中のチョウアカは明るい色をしているのが特徴です。

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半開翅するチョウセンアカシジミ♀ (岩手県岩泉町、7月7日)
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Canon EOS 60D, Sigma 24mm F1.8 EX DG Aspherical Macro, ASA400




» キマダラルリツバメ; Spindasis takanonis  The Japanese Silverlines

キマダラルリツバメ(キマルリ)にまた出会うことができました。

昨年キマルリを見つけたのは、イネ科植物の広い草原でしたので、それこそ目の前でその姿を観察できました。しかし、今回はその場所には現れてくれず、近くのクズが生い茂る開けた場所で見つけました。その個体は地上から約3mほどの木の葉上に固執していて、証拠写真程度にとどまりました。

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占有行動を示すキマダラルリツバメ♂ (岩手県陸中、7月7日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400




» ダイセンシジミ; Wagimo signatis The Alphabetical Hairstreak

ダイセンシジミ(ウラミスジシジミ)を見ることができました(10頭以上)。このダイセンシジミには翅裏の模様が異なるタイプが知られています。基本型(ケルシボルスQuercivorus型)は紋が三本の筋のように見える模様で、その模様からウラミスジという名前がついています。

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ダイセンシジミ基本型 (Quercivorus型) (岩手県滝沢村、7月7日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400



一方、紋が複雑に乱れるタイプはシグナトュス型(Signatus型)と呼ばれ、北海道に多く出現するようです。わかりやすくいえば、シグナトュス型は北国タイプのダイセンシジミですね。ここでは基本型とシグナトュス型が混在して同時に見られました(シグナトュス型の方が少し多い)。

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紋が乱れたダイセンシジミ(Signatus型) (岩手県滝沢村、7月7日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» アイノミドリシジミ; Chrysozephyrus brillantinus The Brilliant Hairstreak

クリソゼフの輝きはいつ見ても魅力的です。ちょうど午前7時を回ったあたりから9時ころまできっちりと占有行動を見ることができました。人間の体には24時間周期の「体内時計 biological clock」というものがありますが、他の動物、植物はては菌類までこの時計が存在することがわかっています。アイノミドリシジミのテリ張りは、この「体内時計」によるものでしょう。ちなみに虫林の「腹時計」も正確ですよ

体内時計が狂うと種々の病気になる危険が高まるといわれています。
不規則な生活の虫林もアイノミドリの占有行動を少しは見習わなくてはいけませんね。

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アイノミドリシジミ♂ (岩手県滝沢村、7月7日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



クリソゼフの翅の輝きは、見る角度で著しく異なります(前方からが一番輝きが強い)。でもあまりビカビカは好きではないので、ファインダーを見ながら、好みの輝きが得られる角度を探すことにしています。

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占有行動を示すアイノミドリシジミ♂ (岩手県滝沢村、7月7日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400

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占有行動を示すアイノミドリシジミ♂ (岩手県滝沢村、7月7日)

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Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400



アイノミドリの展翅標本を室内でみると、例外なく金緑色に輝きます。でも野外の晴れた日中の自然光下では、種々の程度に青色が入り、ファボのように青色になることも少なくありません。これは光源(色温度)の問題が大きいのかもしれませんね。

下の写真は外部ストロボ光で撮影したものですが、飛翔している個体の翅表がとても綺麗な金緑色になりました。次回は静止してている個体にストロボ光を当てて撮影してみようと思います。

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飛翔するアイノミドリシジミ♂ (岩手県滝沢村、7月7日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm Fisheye, ASA800, 外部ストロボ、Trimming (+)



飛翔写真を撮影していたら、朝日が偶然に写りこんでしまいました。意図的に撮影したのではないので少し恥ずかしいですが、朝日の中で飛び交うアイノミドリの雰囲気が良くわかるので掲載してみました。

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朝日の中で飛ぶアイノミドリシジミ♂ (岩手県滝沢村、7月7日)

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Canon EOS 60D, Sigma 10mm Fisheye, ASA800, 外部ストロボ、Trimming (+)




» ウラジロミドリシジミ; Favonius saphirinus The Saphirinus Green Hairstreak

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ウラジロミドリシジミ♂ (岩手県滝沢村、7月7日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» ミズイロオナガシジミ; Antigius attilia, The Black-banded Hairstreak

ミズイロオナガの翅裏の模様は多様です。でも、この個体ほど紋が減少した個体は少ないのではないでしょうか。まるで別種のように見えますね。

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黒紋が減少したミズイロオナガシジミ (岩手県滝沢村、7月7日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




» キマダラモドキ; Kirinia fentoni , The Pseudo-Labyrinth

キマルリのポイントの林の中の小道を歩くと、キマダラモドキが足元から飛び立ちました。結構敏感でなかなか近寄らせてもらえませんが、なんとか撮影することができました。

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キマダラモドキ (岩手県岩泉、7月7日)

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Canon EOS 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ASA400




§ Afterword §

最近、とある高校生から被災地の復興活動のシンボルとして、以前に撮影した三陸のチョウセンアカシジミの写真を使用したいという匿名の申し出がありました。もちろん二つ返事でOKしたことはいうまでもありません。その復興活動の詳しい内容は説明されていなかったのですが、とにかく僕の写真が被災地復興のために少しでもお役にたつのであればこれほど嬉しいことはありません。

この時期の岩手県のチョウたちはとても魅力的で、わざわざ車でいった甲斐があったというものです



以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-07-10 20:00 | ▣チョウセンアカシジミ | Comments(20)