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DIARY Vol.11 (750): #14, 2017 :

キリシマミドリシジミは「見ることはできるが撮ることができない蝶」だと思っている。これまで、何度もこの蝶の撮影にトライしたが、いまだに満足のいく写真が撮れていないからだ。この蝶はゼフの中でも大きくて、翅の輝きもすこぶる強く、飛翔する時の迫力は格別である。いわば「ゼフィルスの王様」といってよい。本日は、県南部の照葉樹林の峪に、古い蝶友のダンダラさんと一緒に再訪してみた。ゼフ王にお目通りがかなえばありがたき幸せ。


県南部の峪

県南部の照葉樹が繁茂する峪にはヒル(ヤマビル)が多い。

ヒルに血を吸われてもさほど痛くはないので、少しぐらい吸わしてあげても良いのだが、ヒルジンの血液凝固阻害作用で出血するのが気持ち悪い。聞くところによると,ヒル対策としてはパンティストッキングを履くと良いらしいが、わざわざ買うのもなんだし、さりとて家内のものを借りると変に誤解されそうだ。結局のところ、時々立ち止まって靴を観察するだけにとどめることにした。ちなみに、現地では何度もヒルが靴についていた。

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----ヒルが多い照葉樹の峪
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS M6, EF-M 28mm F3.5 IS STM)



キリシマミドリシジミ(霧島緑蜆、Chrysozephyrus ataxus)

ダンダラさんとキリシマミドリの飛来を待った。こんな時は一人で待つよりも時間がつぶせるし、何よりも心強いものだ。しばらすると、ダンダラさんの背後のカシの木で何かが飛んで葉に静止したのが見えた。慌てて確認すると、どうやらキリシマミドリの雌らしい。距離は3mほどだろうか、かなり近いので喜んで撮影した。

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----キリシマミドリシジミ♀
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm Macro F4 IS USM)


翅裏の模様がオスとメスでこれだけ違う蝶も珍しい。オスの翅裏は銀色に輝くが、雌は茶色の紋があって保護色になっている。しばらく静止していたが、突然飛んで行ってしまった。とにかく、ボウスは免れてメスの撮影ができたのでホッとしたとお互いに顔を見合わせた。

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----キリシマミドリシジミ♀
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF300mm F4 IS USM)


近くの木にも日差しが当たり始めると、樹上でゼフが飛び始めた。ここのウラギンシジミはゼフのようなテリ張りをして紛らわしいことこの上ない。それでも、飛来したキリシマミドリの飛翔写真を何とか撮影できた。

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----キリシマミドリシジミ♂飛翔
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF100mm Macro F4 IS USM)

その後も何度も飛んできたが、どうやらメス探しのようでなかなか静止してくれなかった。やっと1頭のオスが葉上に止まり翅を開いてくれた。至近距離とは言えないが、300㎜の望遠レンズに三脚を用いて何とかその様子を撮影することができた。クリソゼフの翅の輝きはとても強くて、何度も露出をマイナス補正した。

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----キリシマミドリシジミ♂
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(July-19-2017, Yamanashi, Canon EOS 7D M-II, EF300mm F4 IS USM)



虫眼鏡ノート

キリシマミドリは虫林の大事な課題昆虫の一つなのだ。これまでこの蝶の撮影には苦労してきたが、今回は不十分ながらも少しはましな写真が撮影できた気がする。でも、さらに良い写真を撮影するためには、山梨県内のこの場所に何度も足を運ぶことになるだろう。ダンダラさんとは久しぶりの撮影行だったが、やはり撮影時の阿吽の呼吸は、お互いに旧知の間柄のためだろう。ご同行いただいたダンダラさんに感謝します。



Written by 虫林花山

by tyu-rinkazan | 2017-07-31 20:51 | ▣キリシマミドリシジミ | Comments(4)

DIARY Vol.10 (676): #38, 2015 :

エメラルドグリーンに輝くキリシマミドリシジミはゼフィルスの王様(ゼフ王)。  

最近、山梨県の某所をキリシマミドリシジミが飛ぶことを知った。そこで、蝶友のダンダラさん(小畔川日記)をお誘いして山梨県産キリシマミドリシジミにチャレンジすることにした。その場所は数週間前にも二人で下見したが、観察地点までの道にヤマビルが多い。でも、エメラルドグリーンのゼフ王に会うためならヤマビルだろうがキングコブラ(日本にいない)だろうが「屁の河童」「平気の平左衛門」なのです。
    


渓谷にて

先日の大雨の影響か渓谷の流れは、白いしぶきをあげてすこぶる豪快。

幾つかのシャッター速度を選んで水の流れを撮影。
ちなみに下の写真は1/100秒で撮影したものです。

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------------------- 渓流-Mountain torrent

--------------------(Yamanashi, 25/July/2015, Olympus OM-D MZD ED40-150mm F2.8 Pro + X1.4 Telecon (MC-14)



ゼフのようなウラギンシジミ

谷に日が差してしばらくすると、白い翅裏を点滅して大型のシジミチョウが現れた。
枝先で占有(テリトリー)行動を行い、時々他の蝶と巴卍飛翔までした。
うーむ、どうやらゼフィルスのようだ。
やっと待望のキリシマミドリシジミが出現したのかなと思い喜んでカメラを向けた。

画像再生してみると、なんとウラギンシジミ♂だった。
ウラギンシジミの夏型はまるでゼフィルスみたいだな。

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---- ウラギンシジミ-Toothed Sunbeam

-----(Yamanashi, 25/July/2015, Olympus OM-D MZD ED40-150mm F2.8 Pro + X1.4 Telecon (MC-14)



ついにキリシマミドリシジミが出現した!

気温の上昇とともにいろいろな昆虫たちが飛ぶようになった。

期待に胸を膨らませながら待機したが、キリシマミドリシジミは一向に現れてくれなかった。到着後2時間が過ぎてそろそろ限界で諦めようかなと思ったその時に、背後から緑色に輝くシジミチョウが飛び出して、やや日陰のカシの葉上に静止した。

翅裏の白さは見まごう事なきキリシマミドリシジミだった。
「待てば海路の日和あり」とはこのことだな。
山梨県産のキリシマミドリの撮影は初めてだったので嬉しい。

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---- キリシマミドリシジミ-A male of the Wonderful green hairstreak

-----(Yamanashi, 25/July/2015, Canon EOS 6D + EF300mm f/4L IS USM + X1.4 Telecon



今回の撮影では、オリンパスのED40-150mm + 1.4倍テレコン(実質420mm)とCanon のEF300mm + 1.4倍テレコン(実質420mm)で撮影した。両方とも同じ倍率(420mm)だが、前者の方が大きく見えるように感じた。

数は多くないがキリシマミドリシジミは時々飛来してくれた。
ファインダーを通してみるキリシマミドリの翅の輝きに胸が高鳴る。
さすがゼフィルスの王様だ。

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---- キリシマミドリシジミ-A male of the Wonderful green hairstreak

-----(Yamanashi, 25/July/2015, Canon EOS 6D + EF300mm f/4L IS USM + X1.4 Telecon



これまでの経験から「キリシマミドリは見ることができても撮影は困難」
下の写真はトリミングしているが、何とかまともに撮影できたなと思う。

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d0090322_3294050.jpg
---- キリシマミドリシジミ♂開翅-A male of the Wonderful green hairstreak with wings opened

-----(Yamanashi, 25/July/2015, Olympus OM-D MZD ED40-150mm F2.8 Pro + X1.4 Telecon (MC-14)



一度だけ距離にして2mほどの近さの葉に静止してくれた。
慌ててカメラを向けたが、葉が邪魔して全体を見る事ができない。

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---- キリシマミドリシジミ♂開翅-A male of the Wonderful green hairstreak with wings opened

-----(Yamanashi, 25/July/2015, Olympus OM-D MZD ED40-150mm F2.8 Pro + X1.4 Telecon (MC-14)



クロシジミの産卵を撮影した

キリシマミドリシジミを撮影した後、数週間前に偶然に見つけたクロシジミの発生地に立ち寄ってみた。ここは狭い範囲(多分20m四方)にクロシジミの密度が濃い。

到着して歩き出すとほどなく新鮮なメスが現れた。

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---- クロシジミ♀-A female of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 25/July/2015, Canon EOS70D, EF8-15mm f4/L Fisheye USM

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---- クロシジミ♀-A female of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 25/July/2015, Canon EOS 6D + EF300mm f/4L IS USM + X1.4 Telecon



メスの裏面は通常のものの他に、明らかに白化した個体も見られた。
残念ながらスレた個体だったが、裏面は明らかに白く、翅表にも紋がある。

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---- クロシジミ♀(白化型)-A female of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 25/July/2015, Canon EOS 6D + EF300mm f/4L IS USM + X1.4 Telecon



少数ではあるが、新鮮なオス個体も見る事ができた。

d0090322_3323750.jpg
---- クロシジミ♂-A male of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 25/July/2015, Canon EOS 6D + EF300mm f/4L IS USM + X1.4 Telecon



ススキの葉を観察すると、所々でクロシジミの卵をみつけた。

クロシジミの産卵シーンも見てみたいなと思っていたところ、ありがたいことにダンダラさんが見つけて呼んでくれた。このメス蝶は何度も産卵してくれたので、その様子をゆっくり観察できた。

メス蝶は明らかにクロオオアリの様子をみながら産卵していた。

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---- クロシジミ♀の産卵-A female of the Gray-pointed Pierrot

-----(Shizuoka, 25/July/2015, Canon EOS 6D + EF300mm f/4L IS USM + X1.4 Telecon



🔍虫眼鏡ノート

山梨県内でキリシマミドリシジミが見る事が出来てとても嬉しかったです。出現するまでの待ち時間が長かったので、虫林一人だったら諦めていたかもしれません。ダンダラさんのおかげです。キリシマミドリの数は多くなかったものの比較的近くで静止してくれたので、一応まともな写真が撮影できたように思います。とにかく、キリシマミドリシジミは見る事ができても撮影するのが難しい蝶ですからね。

クロシジミの産卵シーンの撮影も初めてでした。この蝶はアリとの共生が知られていますが、この場所は蝶とアリとの関係が観察しやすい環境です。来年以降も楽しみになってきました。

Written by 虫林花山





by tyu-rinkazan | 2015-07-30 03:35 | ▣キリシマミドリシジミ | Comments(6)

Nature Diary vol.7(39):#464



<ロンドンオリンピック>
ロンドンオリンピックの熱戦が連日深夜にライブ放送されている。僕はもともと「宵っ張り」で寝る時間が少ない方だが、それにしても睡眠時間がさらに少なくなり、いまや慢性的な寝不足状態になっている。でも、鍛えあげた世界のアスリートたちが見せる素晴らしいパフォーマンスは、日本という国の枠を思わず忘れて応援してしまうのだ-----といいながら、心の中でゴーゴー、ニッポン!と叫んでいる(島国根性かな?)。

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今週末(土曜日)は天気が良い。
そこで、駿河の国にキリシマミドリシジミ(以下キリシマミドリ)を見に行くことにした。



キリシマミドリシジミ; The Wonderful Green Hairstreak

ポイントで飛来を待っていると♂が突然現れて、アカガシの葉の上に静止。
相変わらず翅裏の白さが目にしみる。

キリシマミドリは美しいだけでなく飛翔スピードもピカイチ。
ゼフィルスの ウサイン・ボルト選手 (男子陸上100m、200mで金メダル)----かな?

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アカガシの葉に静止するキリシマミドリシジミ♂

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A male of the Wonderful Green Hairstreak resting on the oak leaf.
Canon 7D, EF300mm, ISO800 (2012-August-04, Shizuoka)


キリシマミドリは見ることはできても、撮影は困難

静止したキリシマミドリはしばしば翅を開いてくれた。

下の写真は300mmの望遠レンズで撮影したが、いずれもトリミングしている。
今回、望遠飛翔撮影も試みたが光量不足でダメ。

このチョウの撮影には、一工夫、二工夫が必要だな----。

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半開翅するキリシマミドリシジミ♂

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A male of the Wonderful Green Hairstreak resting with the wings semi-opened.
Canon 7D, EF300mm, ISO800 (2012-August-04, Shizuoka)




ホシチャバネセセリ; The Japanese Scrub Hopper

キリシマミドリを撮影後、富士山麓の高原にホシチャバネセセリ(以下ホシチャ)を見に行った。
ホシチャが棲息する高原は少し雲がかかり、吹く風も心地よい。

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ホシチャバネセセリの棲息地

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Habitat of the Japanese Scrub Hopper
Canon 7D, Sigma10mm + X1.4 Telecon, ISO800 (2012-August-04, Mt.Fuji)


草原の中の道をのんびりと歩いたが、ホシチャの姿がない。
どうしたのかな?と思っていたら、ススキの葉上にやっとその可愛い姿を見つけた。

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ホシチャバネセセリ

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The Japanese Scrub Hopper
Canon 7D, Sigma10mm + X1.4 Telecon, ISO800 (2012-August-04, Mt.Fuji)


とにかくホシチャは小さくて、飛んでいるとハエみたいにみえる。

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ホシチャバネセセリ

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The Japanese Scrub Hopper
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO800 (2012-August-04, Mt.Fuji)




ミヤマカラスシジミ; The Mera Black Hairstreak

ここにはミヤマカラスシジミがとても多い。
食樹のクロツバラの木が多いせいかな。

一般的に、山梨県ではカラスシジミよりもミヤマカラスシジミの方が多く、長野県では逆でカラスシジミの方がより多いように思う。

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ミヤマカラスシジミ

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The Mera Black Hairstreak
Canon 7D, Sigma10mm + X1.4 Telecon, ISO800 (2012-August-04, Mt.Fuji)

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ミヤマカラスシジミ

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The Mera Black Hairstreak
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-04, Mt.Fuji)


多数のミヤマカラスシジミがサンショの木の花に群がっていた。また、食樹のクロツバラの木ではしばしば産卵行動が見られた。

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吸蜜や産卵行動するミヤマカラスシジミ

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The Mera Black Hairstreak
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-04, Mt.Fuji)




その他; Miscellaneous

草原の小道の脇の花にクロシジミの♀が吸蜜に訪れていた。
これまで、国道を挟んでこちら側でクロシジミを見たのは初めてだろうと思う。

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吸蜜するクロシジミ♀

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The Gray-pointed Pierrot
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-04, Mt.Fuji)


オオウラギンスジヒョウモンの♂がサンショの花で吸蜜していた。

オオウラギンスジヒョウモンはヒョウモン類の中でも好きな種類だが、本種は後翅の翅裏が黒く塗りつぶされたようになるので遠くからでも認識しやすい。

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オオウラギンスジヒョウモン♂

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The Great Eastern Silverstripe
Canon 7D, EF100mm Macro, ISO400 (2012-August-04, Mt.Fuji)




§ Afterword §

今年の夏は仕事や行事が立て込んでいて、ウィークデーに夏休みをとってのフィールド散歩はできそうにない。でも、フィールド散歩の後の写真整理やブログ記事を書くことを考えれば、週に一回くらいが僕の生活パターンに合っているように思う。

いつの間にか8月も過ぎてしまい、撮影対象も限られてきた。
来週のウィークエンドはどこに行こうかな?





以上、 by 虫林花山

by tyu-rinkazan | 2012-08-06 01:50 | ▣キリシマミドリシジミ | Comments(9)

Nature Diary #404

立秋の候
夏休み期間だというのに、このところ何だかんだと忙しい。バタバタとしている間に、暦の上では夏が過ぎ、すでに秋になってしまった。季節の歩みは止まることを知らない。

日曜日はやっと時間がとれたので、蝶写友のダンダラさん小畔川日記】と甲府市内で待ち合わせ、一緒に静岡県方面に行くことにした。目的はキリシマミドリシジミ(キリシマミドリ)だ。このチョウは「見ることはできても撮影は困難」といわれるチョウの代表挌で、なかなか撮影できない。ウーム、まるで最近, [TSUTAYA]でDVDを借りて見た「ナバロンの要塞」のような難攻不落の蝶だな(意味がわからない)。


» キリシマミドリシジミ;
Chrysozephyrus ataxus , Wonderful Hairstreak


昨年、偶然に見つけたアカガシのポイントに到着した時は、ホストプラントのアカガシの木に朝日が当たっていたが、瞬く間に雲が出てしまい、周囲も暗くなってしまった。

そこで、ブラブラしながら明るくなるのを待ったところ、1時間ほども経っただろうか、再び周囲が明るくなって薄日までさしてきた。すると、アカガシの枝からやや大きめのシジミチョウが飛び出し、近くの枝に静止した。早速、カメラのファインダーで確認してみると、その蝶はまさしくキリシマミドリシジミ♀だった。

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アカガシの葉に静止するキリシマミドリシジミ♀ (静岡県、8月7日)

Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400, Trimming (+)

このキリシマミドリシジミのメスは、反対側からみると翅の一部が欠けていた。8月7日は時期的にそれほど遅いとは思わなかったのだが、この姿をみると出現の盛期は1週間から2週間前くらいかも知れないな。

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アカガシの葉にキリシマミドリシジミ♀ (静岡県、8月7日)

Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400, Trimming (+)

出現したキリシマミドリの♀は下の写真のようにアカガシの新芽の周りで怪しい動きをしていた。

すわ「産卵行動」かなと思って注意して見ていたが、結局、産卵と分かるほど腹部を曲げることはなかった。でも新芽に関心があったことには間違いないので、新芽の様子を観察していたのかもしれないな。面白いことに新芽にストローを伸ばしている姿が観察できた(円内)。

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アカガシの新芽に静止するキリシマミドリシジミ♀ (静岡県、8月7日)

Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400, Trimming (+)

キリシマミドリシジミのメスは、繁みの中に入ってしまったがそれでも角度を変えて撮影することができたので、見失わないように注意しながらかなりの枚数撮影した。下の写真はその時のものだ。しかし、同じようなアングルからのその後の写真がとんでもない事実を含んでいたことに全く気づいていなかった。

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キリシマミドリシジミ♀ (静岡県、8月7日)

Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400, Trimming (+)

<ダンダラさんからの驚きの電話>

帰宅後、写真の整理をしていると、ダンダラさんから電話が入った。
それは「キリシマミドリの♀は1頭ではなくて2頭いるよ」というにわかに信じがたい内容だった。

慌てて撮影した写真をもう一度チェックしてみると、そこにはまさしく2頭のキリシマミドリのメスが写っていた(矢印)。撮影時はとにかく見失わないように1頭の♀を注視していたので、すぐそばに現れたもう1頭のメスに気付かなかったのだ。「意識しなければ見えるものも見えない」ですね。

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2頭のキリシマミドリシジミ♀ (静岡県、8月7日)

Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400, Trimming (+)

嬉しいことにキリシマミドリの♂も近くの枝の葉に静止してくれた。

我々のいる場所からわずか3-4mくらいの場所なのでゆっくりと撮影できたが、よくみるとやや古い個体だったのが少し残念だ。この個体は開翅を期待したが、曇り空のもとでは翅を開くことがなかった。

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キリシマミドリシジミ♂ (静岡県、8月7日)

Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400

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キリシマミドリシジミ♂ (静岡県、8月7日)



» その他; Miscellaneous

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ダイミョウセセリ (静岡県、8月7日)

Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400

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カラスアゲハとミヤマカラスアゲハの吸水 (静岡県、8月7日)

Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400, Trimming (+)

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オナガアゲハ♀の開翅 (静岡県、8月7日)

Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400

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ジャコウアゲハ♀の産卵 (静岡県、8月7日)

Canon EOS 7D, EF 300mm F4L IS USM, ASA400




§ Afterword §

本日は天気が悪かったもののそれが幸いしてかゆっくりとキリシマミドリの撮影ができた。キリシマミドリのメスも撮影できて喜んでいたが、それが同時に2頭だったとは嬉しい驚きだった。人間の目は意識と強く関連していて、「見ようとしなければ見えない」ものだということが如実にわかる出来事だったな。

最後にダンダラさん、ご苦労様でした。

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<憧れのGXR>
リコーGXR というカメラに発売当初から憧れていた。このカメラは、その風貌といい、世界初のカメラユニット交換システムといい、カタログデータだけでは語れない不思議な魅力があると思う。過日の東京出張のおりに、たまたま(?)立ち寄った新宿のヨドバシカメラで思わず「衝動買い」してしまった。

少し充電して、新宿界隈とミンミンゼミを撮影してみた。
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このカメラは「日常のお散歩カメラ」 として持ち歩きたいと思う。


以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2011-08-09 01:31 | ▣キリシマミドリシジミ | Comments(22)

Nature Diary #0346
Date: August 22 (Sunday), 2010
Place: Shizuoka
Weather: Cloudy and fine



<残暑の候>

残暑の候---ウー、まだ暑い。

でも、この頃は、ひどい暑さの中に秋の気配をわずかながらも感じ取れるようになってきた。セミたちの合唱も夏の終わりをあたかも惜しんでいるようにも聞こえる。

そろそろ、夏休みモード(キリギリスさんモード)から仕事モード(アリンコモード)へと変換しなければ---と殊勝に思っている今日この頃だが、実際の頭の中は依然としてキリギリスさんモードのままだから困る。



§ Diary §

日曜日(22日)は「キリシマミドリシジミのメスねらい」で出陣した。

もちろん、キリシマミドリの発生盛期からはズレズレなのは承知の上だが、メスならまだ生き残っているはずだし、運が良ければ産卵行動なども観察できるかも知れないと思ったのだ---かなり楽観的。まあ、たまには 「ボウズ覚悟、玉砕覚悟の撮影行」 も良いと思う。

ということで、今回はかなりリスキーな撮影行だったが、ダンダラさん(小畦川日記)もご一緒することになったので心強い。



訪れた場所は、前回(8月7日)の訪問時に、運良く見つけたポイントだ。

ここは、早くから朝日があたる斜面だが、到着してみるとあいにく霧がかかっていた。しかし、しばらく待っていると日も出て明るくなってきたので、お茶を飲みながらチョウが飛び出すのを待った。

クロスフィンガー!

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#1: アカガシの木

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A habitat of Wonderful Green Hairstreak
Olympus E-3, ZD8mm Fisheye, EC-14, ASA400
(2010-August-22, Shizuoka)



キリシマミドリシジミ; Wonderful Green Hairstreak

ポイントのアカガシを見上げていると、茶色っぽい小型のシジミチョウ(ムラサキシジミ)とともに、一見してそれとわかる白い大型のシジミチョウが何頭か飛び出した----ウーム、キリシマミドリに違いない。

相変わらず、飛ぶ姿は見えても撮影可能位置まではなかなか降りてこなかった。

しばらく見守っているとやっと1頭が比較的低い枝の葉上に静止したのをダンダラさんが教えてくれた。残念ながら葉が邪魔をしてチョウの体の一部しか見えない。しかし、翅裏の模様はまさしく今回の目標「キリシマミドリのメス」だった。

一応、ボウズは免れた---ホッとした。

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#2: 葉上に静止したキリシマミドリシジミ♀

A female of Wonderful Green Hairstreak resting on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-August-22, Shizuoka)



幼木での産卵シーンを期待して、林道を歩いてみた。

途中、何の変哲もないアカガシを叩くと、キリシマミドリが数頭飛び出したので驚いた。その内の1頭は15mほど追跡したところ、うまい具合にヒノキの枝先に静止してくれた。

ヒノキの枝先のキリシマミドリのシルエット。

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#3: キリシマミドリシジミのシルエット

A male of Wonderful Green Hairstreak resting on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-August-22, Shizuoka)



枝先に静止するチョウは飛び去る様子もないので、順光になるように、背丈ほどもあるススキをかき分けてゆっくりと回り込んでみた。

ファインダーで見ると、翅裏の様子はどうやらキリシマミドリのオスだが、見るからに尾羽打ち枯らして色も褪せている。この時期のオスなのだから古くても当たり前なのだ。

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#4: 枝先に静止したキリシマミドリシジミ♂

A male of Wonderful Green Hairstreak resting on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400、トリミング
(2010-August-22, Shizuoka)



静止しているキリシマミドリの後翅が一部欠損していた。その欠損部からは反対側の翅表の緑色がはっきりと見えた。

d0090322_2333219.jpg
#5: 枝先に静止したキリシマミドリシジミ♂

A male of Wonderful Green Hairstreak resting on the leaf.
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-August-22, Shizuoka)



その他; Miscelaneous

前回の撮影行(8月初旬)には、あまり姿を見せなかったムラサキシジミが今回は多く見られた。

キリシマミドリとは同所的に棲息するようだが、大きさが明らかに異なるのと飛翔時の色も異なるので両者を見間違うことはない(キリシマミドリの方が大きくて白い)。

d0090322_23333542.jpg
#6:ムラサキシジミ

Japanese Oakblue
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-August-22, Shizuoka)



この林道には、アオスジアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、ジャコウアゲハなど、この時期アゲハの仲間が多く見られた。

アオスジアゲハはサンショウの花に集まっていた。

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#7: アオスジアゲハ

Common Bluebottle
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-August-22, Shizuoka)



ジャコウアゲハもフワフワと緩やかに飛翔する姿がしばしば認められた。メスは明るい茶色で、いつみても美しい。

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#8: ジャコウアゲハ♀

Chinese Windmill
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-August-22, Shizuoka)



ジャノメチョウはどこにいっても見られるチョウの1種だが、この時にみた個体はとりわけ大きくて、大きさはおよそオオヒカゲほどもあった。

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#9: ジャノメチョウ

Dryad
Olympus E-3, Sigma 150mm Macro, ASA400
(2010-August-22, Shizuoka)


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§ Afterword §

今回は時期外れではあるが、「ボウズ覚悟、玉砕覚悟」で前回見つけたポイントをもう一度訪れてみたのだが、何とかまたキリシマミドリの姿を見ることができ、また撮影できたのは嬉しい限りだ。

しかし、撮影できた♂♀のキリシマミドリは、両方とも満足いく写真からはほど遠く、これからもリスク覚悟に通うことになるだろう。でも、今回の撮影も含めて、キリシマミドリシジミの生態が少しずつわかってきたような気がしている。今年はあと1回くらいは訪れてみたいものだ。


今回は「チェレンジ撮影行」にも関わらず、お付き合いいただいたダンダラさんに感謝します。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-08-26 23:54 | ▣キリシマミドリシジミ | Comments(12)

<山梨県北杜市に生息するゴマシジミの保全活動へご協力のお願い>

ゴマシジミの生息地である山梨県北杜市の2ヵ所(旧明野村で1ヶ所、旧須玉町で1ヶ所)で、2009年よりゴマシジミの生息環境の保全活動が、地元、 北杜市オオムラサキセンター、日本チョウ類保全協会により行われています。保全活動を進めるにあたり、草刈りなどの管理活動にご協力いただけるボランティアを募集しております。

本活動にご協力いただける方は、ご連絡をお願いいたします。

NPO法人 日本チョウ類保全協会


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Nature Diary #0342
Date: August 07 (Saturday), 2010
Place: Shizuoka
Weather: Fine




<The King of Zephyrus>

子供の頃、キリシマミドリシジミ(キリシマミドリ)は屋久島の大杉谷という人跡未踏の深い谷に棲息する超稀種で、自分には多分一生お目にかかれない「幻の蝶」と思っていた。今考えれば、人跡未踏では蝶が発見できませんよね---おバカ。

ゼフの仲間では、キリシマミドリは最も大きくて、翅表の輝きもクリソゼフと同じくらい強い。
昔から虫林はキリシマミドリを [ゼフの王様] と思っていた。

ウーム、The King of Zephyrus に会いたい。





§ Diary §

今回も banyanさん(蝶と山てくてく写日記)にご一緒して、キリシマミドリの撮影に再チャレンジすることになった。神奈川の I さんご推薦の場所で前回とは異なる。


道が不案内のためかなり早めに自宅を出発したので、待ち合わせ時間よりも1時間ほども早く(朝6時過ぎ)現地に到着してしまった。そこで、時間つぶしに林道に沿って一人でぶらぶらと散歩してみることにした。

空を見上げると、白いペンキを刷毛で延ばしたようなシーラス(絹雲)
この雲が出ればしばらく天気は安定する。

今日も暑くになりそうだ--そうだ日焼け止めクリームを塗ろう。

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#1: 空にシーラス(絹雲)

Sirrus
Olympus E-3, ZD 12-60mm, ASA400
(August-07-2010, Shizuoka)



キリシマミドリシジミ; Wonderful Green Hairstreak

ゼフの王様とのお目通しはあっけないものだった。

一人でしばらく林道をぶらぶらと歩いていくと、崖で前が開けているアカガシの林にさしかかった。そこで、ペットボトルのお茶を飲みながらふと見上げたら、木の周りをすばらしいスピードで飛翔する白いシジミチョウを発見した。

キリシマミドリだ---もうお茶どころではない。

突然、一頭が上から舞い降りて、目の前の草上に静止した。慌てて何度かシャッターを切ったが、残念ながら逆光で証拠写真程度のものになってしまった。

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#2: キリシマミドリシジミ♂

A male of Wonderful Green Hairstreak basking on the oakleaf with the wings semi-opened.
Olympus E-3, ZD 70-300mm, ASA800
(August-07-2010, Shizuoka)



現地で会った静岡のkさんと場所を移動してキリシマミドリの飛来を待っていると、ほどなく事故渋滞で遅れたbanyan さんも合流できた---良かった。

朝日が木の梢を照らし出してしばらくすると、白と緑の点滅を繰り返してキリシマミドリのオスがポツポツと飛来するようになった。何度も訪れてくれるが、木の周りを飛び回るだけで飛び去ってしまう。まるで嘲笑うように----。

そして、ついに撮影可能な枝の葉に止まってくれた。

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#3: キリシマミドリシジミ♂

A male of Wonderful Green Hairstreak basking on the oakleaf with the wings closed.
Olympus E-3, ZD 70-300mm, ASA800
(August-07-2010, Shizuoka)


下の写真は上(#3)をトリミングして拡大した。

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#4: キリシマミドリシジミ♂

A male of Wonderful Green Hairstreak basking on the grass leaf with the wings closed.
Olympus E-3, ZD 70-300mm, ASA800, Trimming (+)
(August-07-2010, Shizuoka)



先週、信州でのムモンアカ撮影の際に、不注意にも穴に落ち(相変わらずドジ)、愛用レンズをまたまた破損してしまった--今年3回目の修理中。

仕方がないので、今回はオリンパスのZD70-300mmのズームレンズを装着したが、このレンズは暗くて、解像度があまり良くないような気がする。まあ、自分の不注意なのだから仕方がないのだ--最近、不注意が多すぎるぞ。

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#5: 葉上で開翅するキリシマミドリシジミ♂

A male of Wonderful Green Hairstreak basking on the grass leaf with the wings opened.
Olympus E-3, ZD 70-300mm, ASA1250
(August-07-2010, Shizuoka)



葉上に静止したキリシマミドリの♂が開翅すると、コバルトブルーに輝く翅表が出現し、白い翅裏とのコントラストがとても鮮やかで綺麗だ。

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#6: 葉上で開翅するキリシマミドリシジミ♂

A male of Wonderful Green Hairstreak basking on the grass leaf with the wings opened.
Olympus E-3, ZD 70-300mm, ASA800
(August-07-2010, Shizuoka)



キリシマミドリはベタ開翅もするが、側方から見ているので、完全に開翅すると撮影には向かない。せいぜい130度から150度くらいの開翅が絵になるな。

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#7: 葉上で開翅するキリシマミドリシジミ♂

A male of Wonderful Green Hairstreak basking on the grass leaf with the wings opened.
Olympus E-3, ZD 70-300mm, ASA1250
(August-07-2010, Shizuoka)



クロアゲハ; Spangle

林道上で吸水していた綺麗なクロアゲハ♂を見つけた。

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#8: クロアゲハ♂

A male of Spangle
Olympus E-3, ZD 70-300mm, ASA400
(August-07-2010, Shizuoka)

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#9: クロアゲハ♂

A male of Spangle
Olympus E-3, ZD 70-300mm, ASA400
(August-07-2010, Shizuoka)



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§ Afterword §

今回、キリシマミドリシジミを見ることができたばかりか、撮影まで成功したのですからとても嬉しい。しかし、キリシマミドリは見ることができても撮影ができないチョウと誰かが言ってたがその通りで、このチョウを撮影するには、静止場所を考えての位置取りが必要である。

まだ写真としては満足できるレベルからはほど遠いので、機材(レンズ)などを整備してさらにチャレンジしたいものだ。


エキサイティングな1日になりました。
banyanさん色々お世話になりました。また、神奈川のIさんや同行された静岡のKさんにも感謝します。




以上、 by 虫林花山
by tyu-rinkazan | 2010-08-11 20:25 | ▣キリシマミドリシジミ | Comments(22)