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夏の季節だと、まるでハンターのように虫を追い求めてしまい、周りの風景などを愛でる余裕もなくなるが、この時期(真冬)のフィールド散歩は、精神的にものんびりできるし、また撮影機材も少なくて済むので、肉体的にも楽なのだ-----と強がりをいってはみるが、やはりナチュラリストにとっては花が咲き虫が飛ぶ春・夏が恋しいものだ。
 先日、いつもご一緒させてもらっている友人と一緒にオオムラサキの越冬幼虫を探した。そこは市街地からほど近い谷地(谷戸ともいう)で、田んぼの周りにはコナラ・クヌギの雑木林が広がり、いわゆる「里山の原風景」が今でも残っている。憩いの場所だ。
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Nature Diary Vol.13 (774): #05, 2019

ほとんどの生物がじっとしている冬なのに、猿の群れが林道を横切り、慌ただしく斜面を登っていった。サルたちを気にしながら小川に続く小道を下り、古い橋を渡ると雑木林にでる。そこにある一本の大きなエノキの木は「ご神木」のようなもので、オオムラサキの越冬幼虫が多い。
 枯れ葉で厚く覆われた木の根元で、友人と競いながら枯れ葉をめくると、ほどなくオオムラサキの越冬幼虫を見つけることができた。

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----オオムラサキの越冬幼虫 (山梨県北杜市、2019年01月)



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----オオムラサキの越冬幼虫が多いエノキ (山梨県北杜市、2019年01月)



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----オオムラサキの越冬幼虫 (山梨県北杜市、2019年01月)



虫眼鏡ノート

このようなのどかな里山にも、虫食いのように太陽光パネルが並んでいる。地主にしてみれば、コストパフォーマンス的に雑木林より良いに違いないが、里山の雑木林が切り開かれ、ぺんぺん草も生えない太陽光パネルの設置は景観を著しく損ね、我々のようなナチュラリストにとっては自然破壊以外の何者でもないのだ。日本には「里地里山法(2011年施行)」というのがあるらしいが、何とかならないものだろうか。


Written by 虫林花山



by tyu-rinkazan | 2019-01-11 11:40 | ▣オオムラサキ | Comments(1)

There is always light behind the cloud” これはLouisa May Alcottの言葉で、日本語に訳すと「雲の向こうはいつも青空」となる。つまり、「失敗の後はかならず成功があるよ」なのだ。この言葉を今年の年賀状の文面に是非使おう!と意気込んだが、いざ印刷しようとしたら突然プリンターが壊れてしまったのだ(ということで、まだ年賀状を出していない)-----何とも言い訳がましいね。ネバーマインド、「雲の向こうはいつも青空」なのだ、年賀状の失敗のこと、原稿執筆の遅れのこと、メタボのことなど忘れて、本日は今年最初のフィールド散歩に出よう。ちなみに「雲の向こうはやっぱり雲」にならないようにね。
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Nature Diary Vol.13 (772): #03, 2019

今年初めてのフィールド散歩は、昆虫写真家の山口進さんと一緒にフユシャクのメスを探してみることにした。フユシャクが観察できる桜並木は丘の上にある。車を止めて、道路わきに並ぶ桜の幹を丹念に見ていくと、数頭のメスを見つけることができた。ここからの景色は最高で、甲府市の町の向こうに富士山が一望できる。そこでフユシャク撮影の背景に市街地と富士山を入れて撮影することにした。これが結構難しく、絞りを入れ、露出をマイナス補正し、LEDなどライティングした。一枚の写真の裏に努力あり!

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----イチモンジフユナミシャク雌 (山梨県甲府市、2019年01月)


見つけたのはイチモンジフユナミシャク:Operophtera rectipostmedianaで、体長は1センチに満たず、体全体に毛が密生し、体長の半分ほど小さな翅をもっている。このフユシャクのメスは、長い脚を持ち、少し指で刺激するとけっこうなスピードで歩く。そっと掌の上に乗せてみると、とても軽くて、風が吹くと飛ばされてしまう。

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----イチモンジフユナミシャク雌 (山梨県甲府市、2019年01月)



虫眼鏡ノート

真冬に出現するフユシャクガのメスは口が無いうえに翅まで退縮して飛ぶこともできない。昆虫には口が無いものや退縮して痕跡程度のものが結構多い。これらの昆虫たちは、交尾、産卵し子孫を残すこと以外の機能はすべて省かれ、おしなべて短命である(カゲロウは数時間の命)。さらに、口が無いということは、体の中の消化器系、泌尿器系の器官なども必要が無くなり、同時に欠如ないしは退縮しているに違いない。ヒトで考えるならば、お腹の中身が空っぽであることを意味する。自然界とは驚きだね。


Written by 虫林花山



by tyu-rinkazan | 2019-01-04 18:20 | ■他の昆虫 | Comments(3)

DIARY Vol.13 (771): #02, 2019

このところ、食事の量が増え、運動量が減り、必然的に体重が増える。年末年始の「不健康シークエンス」だ。ウーム、このままでは体によくないな。そうだ「シモバシラ」を見に行こう。ここでいう「シモバシラ」とは、いわゆる冬の地面の霜柱ではなくシソ科の多年草のことだ。この植物は冬になって気温が下がると枯れた茎に氷ができるのが面白い。命名者はこの氷でシモバシラと名付けたらしいが、同名異義は紛らわしいな。

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----シモバシラの氷 (2018年12月)



シモバシラがみられる日陰に白く輝くものがあった。近づいてみると越冬するウラギンシジミだった。こんなシモバシラの氷がみられる寒い場所では越冬は無理かもしれないな。
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----ウラギンシジミ (2018年12月)



Notes
一眼ないしは一眼レフカメラで等倍以上の撮影は、三脚、補助も必要になり物々しいばかりではなく難しくもある。等倍以上の撮影では、オリンパスのTough TGは手軽だし使いやすいので重宝している。特に近年は機材をダウンサイジングしたいと思っているのでTG使用は合目的だと思う。これまでTG3を5年も使用してきたが、さすがに本体は傷が目立ち、モニターも見難くなってきた。そこで年末にTG5を購入した。今回使用してみて、LEDや広角レンズをつけたときに、TG5ではストッパーがついていて安心だった。

by tyu-rinkazan | 2019-01-02 18:45 | ■野花 | Comments(1)

2019年元旦 A HAPPY NEW YEAR

DIARY Vol.13 (770): #01, 2019 :

謹賀新年

旧年中はいろいろとお世話になりありがとうございました
本年もよろしくお願い申し上げます
平成三十一年 元旦

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----ボルネオ島にて (2018年5月)


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----マレーシアにて (2018年5月)


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----マレーシアにて (2018年5月)


Notes
虫林花山のブログ”Nature Diary”も今年で13年目に入りました。ずいぶん長くやってきたものです。しかし、昨年は大学を定年退職して、仕事場を変えたこともあり、これまで毎週更新してきたブログを8月以降は更新ができませんでした(Facebookはやっていたが)。こんな長期の休止はブログ開設以来初めてのことでした。
 今年は以前よりも時間的余裕がありそうなので、Nature Diaryの充実を楽しみたいと思っています。

by tyu-rinkazan | 2019-01-01 00:20 | ● Malaysia | Comments(6)