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Nature Diary 7(22):#447

グアムはこの時期雨期で、午後になると強い雨が降る。でも、南国の雨は一時的でしばらくするとあがるので、現地の人は傘など持っていないという。少しの雨を気にして傘をさすのは日本人だけかもしれないな。

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雨期

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Rainy season
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)



マルバネルリマダラ; Euploea eunice

一頭の黒っぽいマダラチョウが葉の上に静止して、少し翅を開いてくれた。見ると前翅に丸い青い紋が目立つ。マルバネルリマダラだ。

マルバネルリマダラとは台湾以来の出会いはだが、このチョウを見ると南国を感じる。ここでは個体数はかなり多いみたいで、良く飛翔する姿を目にする。日本の沖縄でも近年は毎年見かけることができるらしいが、まだまだ少ない蝶らしい。

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葉上に静止するマルバネルリマダラ

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A butterfly, Euploea Eunice, resting on the leaf with the wings semi-opened.
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-04, Guam, US)


海に面した公園(パセオ公園)。

家族と一緒にのんびりと公園内を歩いていると、ヤシの木の向こうにある何の変哲もない小さなショボイ木の周りを何頭もの黒っぽいチョウが飛んでいるのを発見。

♪♪この木なんの木 気になる木 蝶々が集まる木ですから〜♪♪

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気になる木

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Strange tree
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-04, Guam, US)


木に近づくと、20頭ほどのマルバネルリマダラが飛び立って、周りを乱舞し始めた。そうなると虫林はのんびりと散歩どころではなくなる(虫屋の性かな)。背後から感じる家族の嘲笑の気配など気にもしないで、すぐに駆け寄ってみたのはいうまでもない。

マダラチョウ科のチョウたちはよく集団で行動したりするらしいが、僕にとってはマルバネルリマダラの乱舞は初めての経験で、胸のときめきを禁じ得ないのだ。

しばらくすると枝のあちらこちらに静止した(写真下)。

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マルバネルリマダラの乱舞

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Flying butterflies, Euploea Eunice, in a disorderly manner
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-04, Guam, US)


マルバネルリマダラの「てんこ盛り」。

午後4時を過ぎているので、この木を「ネグラ」として集合したとも考えたが、よく見ると彼らはストローを出してそれぞれ吸蜜しているではないか。マルバネルリマダラが「てんこ盛り」になるこのとても地味な花の木はいったい何者?

一応、「マルバネの木」と名付けておこう。

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マルバネルリマダラのてんこ盛り

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Butterflies, Euploea Eunice, nectaring on the flowers
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-04, Guam, US)

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マルバネルリマダラの吸蜜

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Butterflies, Euploea Eunice, nectaring on the flowers
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-04, Guam, US)


葉の下にすごくカラフルな幼虫を見つけた。この色彩、形はどうやらマダラチョウ科のものみたいだ。幼虫はあまり得意でないが、マルバネルリマダラの終齢かな。

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マルバネルリマダラの幼虫

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A caterpillar of Euploea eunice
Ricoh GRD, ISO100 (2012-May-04, Guam, US)



リュウキュウムラサキ; The Great Eggfly

リュウキュウムラサキのオスが白い紋をチラつかせながら旋回していた。時々静止するが、占有行動(テリトリー)なので、見晴らしの高い枝先を選ぶ。小石を投げて飛び立たせることにしたが、何度もやっていると、リュウムラも馬鹿馬鹿しくなったようで、フイとどこかに行ってしまった。

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リュウキュウムラサキ♂

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A male of the Great Eggfly resting on the leaf.
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)

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リュウキュウムラサキ♀

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The Great Eggfly
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)


小道の脇にはリュウムラの♀をひらひらと舞っていた。

♂と違って比較的低い場所に静止してくれるので撮影はしやすかった。リュウムラのメスは後翅の白い紋の大きさに個体変異が顕著にみられるようだ。以前、蝶友ダンダラさん(小畦川日記)がサイパンで、美しいパラオ型のリュウムラ♀を撮影していたので、グアムでもと思ったが、そうは問屋がおろさなかったな。

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リュウキュウムラサキ♀

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A female of the Great Eggfly resting with the wings opened.
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)



その他; Miscellaneous

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ウスイロコノマチョウ

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The Common Evening Brown
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)


草地に入ると小さなシジミチョウが沢山舞っていた。あまりに小さいのでホリイコシジミかなと思ったが、多分、ヒメシルビアシジミだろう。

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ヒメシルビアシジミ

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Zizina otis
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)


§ Afterword §

一応これでフィールド散歩のグアム編は終了。

今回散策したのは、タモンビーチという超有名な海岸に面したホテルの周りだけなので、グアムの蝶相に関して語るのはおこがましい----でも厚顔無恥な虫林は語っちゃおう。

ホテルから連続した林の中の道を歩いてみると、シロオビアゲハの飛ぶ姿をしばしば見かける。リュウキュウムラサキやマルバネルリマダラも比較的容易に見ることができた。一度だけオオカバマダラも姿を見せ、思わず胸をときめかせたが飛去ってしまった。雨後にはウスイロコノマがひっそりと現れ、ヒメシルビアシジミは草地に沢山みられた。その他、キチョウの仲間はどこにでも多く、ウラナミシジミも何頭かでてきた。

もっとじっくりと探せばいろいろな蝶たちが観察できるに違いないと思う。
それにしても、グアムはのんびりとしていて、命の洗濯には良い場所だと思う。

また、いつの日にか訪れたい。


以上、 by 虫林花山

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by tyu-rinkazan | 2012-05-09 07:36 | Comments(10)

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Nature Diary 7(21):#446

<グアムにて>
今年のゴールデンウィークは上の息子の慶事で、家族全員でグアム (Guam) に滞在した。日本からは飛行機で3時間ちょっとで行ける至近の「南海の孤島」だ。虫屋(虫好きの人)はだれでも「南海の孤島」、「灼熱のジャングル」などといったキーワードには、まるでパブロフの犬(反射の実験で有名)のように、とても敏感に反応するものだ。ちなみに不肖虫林も思わず涎が出てしまった(ウソ)。

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グアムってアメリカ合衆国なのはわかっていても、どこの州に属するの?

てっきりハワイ州かなと思っていたが、実はグァム準州で、法律はカルフォルニア州に準じるということらしい。これって小笠原が東京都というのと同じような感覚かね-----違うか。1時期は日本軍が統治。

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海岸線の風景

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Landscape of the seashore
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)


グアムには今でも素朴な雰囲気が残っている。

実際、20年前にグアムに移り住んだというタクシーの運転手さんに、
「20年前と今とではグアムもずいぶんとかわったでしょ?」----と聞いてみたら、
「なーんも変わらんよ」-----という返事が返ってきた。

ミクロネシアとはそんな場所なのだ。

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海岸線の風景

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Landscape of the seashore
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)


珊瑚の白い砂が透明な水に透けて、空の青と渾然と混ざり合った海の色を作り出す。

こんな景色を見ていると、虫林の脳はすっかり軟化融解してしまい、思考停止状態に陥ってしまうようだ。日本に帰ってからの仕事-----ウーム、考えたくない。

グアムでは全ての時間がゆっくりと過ぎていく。

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海岸線の風景

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Landscape of the seashore
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)


砂浜にサンゴ礁のかけら。
多分、子供が集めて遊んだ名残かもしれないな。

南国の楽しさがそこに凝縮されているようで、見ているだけで癒される気がする。そうだこの写真を虫林のノートパソコンの背景画面に貼付けてみようかな。

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サンゴのかけら

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Fragments of the coral
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)


部屋からはタモン湾が一望。

「夕陽評論家」を自称する虫林は(ウソつけ)、夕方、一人でベランダのデッキチェアーに腰掛けて、水面をオレンジ色に照らす夕陽が、次第にその輝きを失うまでの一部始終をゆっくりと眺めた。

雲の間からもれる夕陽の柱がいわゆる 「天使の階段」 を形作り、オレンジ色に輝く水面をゆっくりと一艘のカヌーが過ぎていった。思えば、何と贅沢で豊穣な時間なのだろうか。

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夕陽とカヌー

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The evening sun showing a so-called “Engel ladder”
Canon 7D, Sigma 17-70mm, ISO200 (2012-May-04, Guam, US)



シロオビアゲハ; The Common Mormon

夕方、砂浜で吸水するシロオビアゲハを見つけた。

砂浜とチョウの吸水はやはり何となく違和感を覚える。というのも、人間の場合、海水を飲むとその塩分濃度が血液や細胞内の濃度よりもかなり高いために、浸透圧の関係で体内の水分がむしろ喪失して、かえって喉が乾いてしまうことになる。つまり、海水はそのままでは飲料水にはならいない。

チョウたちの血液(体液)のミネラル濃度はどうなのかな?

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砂浜で吸水するシロオビアゲハ

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A male of the Common Mormon feeding minerals on the beach.
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)


ブーゲンビリアの赤い花にシロオビアゲハが絡んでいた。
南国の写真にはしばしば出てくるステレオタイプの光景だ。

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ブーゲンビリアの花とシロオビアゲハ

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Gift from the sea
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)



その他; Miscellaneous

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金緑色のカメノコハムシ

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Golden-green coulored leaf beetle
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)

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怪しいハエ

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Funny fly
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)


カメレオンを発見した。

これまで南国には何度も訪問したが、カメレオンに出会ったことはなかった。海岸を散歩していたときに、砂浜に近い場所の葉の上にカメさんに会うことができた。下はカメレオンの顔を近接撮影したものだが、カメラを近づけても逃げようともしない。

いい度胸をしているのかそれともおバカなのか----多分、後者かな。

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カメレオン

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Green cameleon
Canon 7D, EF 100mm F2.8L Macro IS USM, ISO400 (2012-May-03, Guam, US)


§ Afterword §

やはり南海の孤島なので蒸し暑いが、グアムの風土や生活のテンポは、毎日、あたふた、ドタバタ、せかせかと暮らしている虫林にとってはとても癒されるものだった。今回は息子の慶事がメインだったので、十分な探索は不可能だったが、全般的にグアムには昆虫はあまり多くはなさそうだ。息子夫婦はこの夏に日本を離れる予定なので、これからは家族全員が一同に顔を揃える機会もずいぶんと少なくなってしまうだろうな------。



次回はもう少しチョウの写真を中心にしてアップしようと思っている。




以上、 by 虫林花山

by tyu-rinkazan | 2012-05-07 08:18 | Comments(12)